2018年3月11日日曜日

006 / 461 アリ対猪木 アメリカから見た世界格闘史の特異点

10点満点で、6点。

世界格闘史と銘打ったのは日本語版のタイトルを付けた人だろう。原タイトルはALI vs INOKIみたい。実際、そんな大げさな話は書いてなくて、アメリカのプロレス事情程度のことしか書いてない。

アリ自身がプロレス好きだったこと、ビッグマウスはプロレスに由来すること、などは「へえー」と思いつつ読んだが、その程度。ボクサー対プロレスラーの過去の対決についても触れているが、資料も少ないせいだろうか、時代背景についてページを割く割に内容がチープで、読むのに時間がかかる割に中身が薄い印象。

そうかと思えば実際の15ラウンドは1ラウンドごとに(あっさりだが)ページが割かれていて、一体何を語りたかったのかよくわからない本。

一番面白かったのは、その後に与えた影響について。最後に蛇足程度のページが割かれているだけなのだが、他のどのセクションよりも面白かった。まあこれは、直接知っている時代、あるいは現在進行形の事象を扱っているという理由によるものだろうけれど。高田がヒクソンに挑んだことについて「シューターとしての力量はともかく」とか、ヒドい書き方がされているのに苦笑。この他、第1回UFCで前日までルールに紛糾した時、ティラ・トゥリがさっさとサインして議論を打ち切ったとか、なかなか面白いエピソードも。これだけ見ると男気のあるやつだが、試合ではゴルドーに秒殺されたことのほうが有名だなあ。

この他、PRIDEと裏業界の繋がりとか、週刊誌ネタではあってもこうした本に書かれたのはあまりないんじゃないかな。

本当は4-5点という感想だったけど、最後のところでプラスアルファ。


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