2018年2月3日土曜日

002 / 457 プロジェクトX ザ・マン

10点満点で、6点。

かつて一世を風靡したNHKのドキュメンタリー、プロジェクトXに登場した3人へのインタビュー。聞き手はNHKのプロデューサー。
登場するのは、第36回「奇跡の心臓手術に挑む 天才外科医の秘めた決意」の須磨久善、第53回「炎上 男たちは飛び込んだ ホテル・ニュージャパン 伝説の消防士たち」の高野甲子雄、そして第30回「ツッパリ生徒と泣き虫先生 伏見工業ラグビー部・日本一への挑戦」の山口良治。スクール・ウォーズ大好きなので山口先生の回は何度も見たが、それ以外は実は見ていないので、本書で概要を知った。

プロジェクトXのテーマそのものに共通しているが、基本的にはどのリーダーも滅私奉公に近い形でプロジェクトに全力を注ぎ、それに引かれて仲間がついてくるというもの。感動的な話ではあるが、現在の、そして俺自身の価値観にはそぐわないなあ、と思う。他人事と思って読むにはいいけれど、上司にいたらついていけない。他の全てを投げ打って取り組まなければならないのであれば、それはマネジメントが破綻しているせいだと思う。早い話、もっと人、カネ、時間が必要なんだろ。少数に押し付けるな、と。
(消防士はちょっと違うけど)

こういう人たちを美談として取り上げるのはいいけれど、そういう社会が産んできた歪にもしっかり目を向けないと、日本は良くならないんじゃないかなあ。
欧米ではごく当たり前にある、大きなことを成し遂げながら人生を謳歌している、仕事も余暇も充実している人の話って、日本ではあまり取り上げられないね。


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