2018年2月3日土曜日

001 / 456 前田日明が語るUWF全史

昨年末、しっかり書いていこうと思っていたのに新年早々サボってしまった。1月に読んだ分を処理しておこう。

10点満点で、3点。

1984年のUWF(柳澤本)に対する公式反論、となっているが、比較するにはあまりに内容がプア。
柳澤本は当時の記録のほか、現在の雑誌やWEB上の情報、あるいはヒアリングを元に書いてあるが(それでも前田を始めとする当事者にはインタビューしてないから、反論の余地はたくさんある)、本書は当時の雑誌記事以外は前田の発言しか拾っていない。「直接関係者に話を聞いていない」ことに怒っていたはずなのに、その反論本で同じことをやっているのでは仕方ない。
また、柳澤本は「今まで公式に明かされてはいないが、UWFはブックもアングルもあるプロレスだった。その実態はどういうものだったのか」というスタイルで書かれている。それに対する反論として、ライターが実際に知っていたかどうかは別として、少なくとも読者には「UWFは真剣勝負である」と思わせるスタイルで書かれていた当時の雑誌記事で反論しても仕方ないだろう。前提が違うのだから。

反論をするなら関係者に丁寧にインタビューを繰り返し、また現在入手できる新たなソース(dropkickチャンネルのインタビュー記事など)から掘り下げていかなければ、「当時公にされていなかったことを暴く」本に対しては意味が無いんじゃなかろうか。
そもそも本書の著者は前田日明となっているけれど、編集者の塩澤が事実上の著者だろう。塩澤が前田側の視点に立って書いた、と最初からうたっていればそれで済む話なのに、姑息な売り方をしているのが評価をさらに下げる。

前田信者なので期待して読んだだけに残念。


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