2017年11月5日日曜日

014 / 447 レベル7 福島原発事故、隠された真実

10点満点で、6点。

東京新聞原発事故取材班の著となっており、あとがきでは「連載」という言葉が登場しているから、東京新聞の連載を単行本化したものらしい。連載期間が明示されていないからよくわからないが。
東京新聞は朝日毎日と並ぶ反日左翼新聞という印象が強いし、親会社の中日新聞は望月衣塑子のようなアタマのおかしい記者を野放しにしているから、その分偏見を持って読んだことは予め書いておく。

全体を通して、悪意のある批判文、という印象を受けた。事故対応など、後知恵で「こんなこともわからなかったのか」「こんなことにすら備えてなかったのか」という筆致が強い。「死の淵を見た男」には、現場で戦った男たちへのリスペクトが強く感じられたが、本書からは感じなかった。

事故の根源を探る、原子力行政の歩みなどについてはこれまできちんと調べたことがなかったので興味深く読んだ。しかしこれらの記事からも、偏見が感じられたので、別の資料でクロスチェックすることが必要だろうな。とりあえず本書を読んだ限り、正力松太郎は功罪ある男なのだろうが、やはりフィクサーであり、罪あるいは害のほうが大きかった人物である気がする。

読みながら「お前らメディアは、自分たちの非は決して認めないくせに、後知恵で好き放題言いやがって」という印象を持っていたのだが、あとがきでは「メディアにも反省すべき点がある」と書いてある。いやそれ、冒頭に書いてあれば読後感が随分違うのだがなあ。
とりあえず「安全神話」は、「絶対安全」という言葉以外はすべからく危険であると喧伝し続けた、メディアの責任が大きいと思う。技術的に100%の物事はありえないというのは常識なのだが、原子力では100%でない限り叩かれ続けたのだから、懸念を表明することすら出来なくなってもある意味仕方ないなあ、と思う。それが正しいことだとは思わないが。


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