2010年2月28日日曜日

024 / 304 知られたくなかった2012創造説

10点満点で、ضك点。おや、文字化けしてしまったようだ。これもセンバラーの仕業か。

当時の野党最大党首にして、次期総理大臣最有力候補。そしてその通り、現在では内閣総理大臣を務める鳩山由紀夫氏が推薦文を寄せている本書。日本の将来を憂うものとして、本書を読まないという選択肢はあり得ない。

��3/2追記 当時は小沢代表体制だったようだ。訂正。

万能の創造主が、思い通りにいっていない(万能じゃなかったっけ?)地球をきれいにすべく、「とりあえず人類亡ぼしとくか」と思いついたのを阻止するために、超現実主義者の「オレ」が、占い師の「先生」らと、人類を救う鍵になる「クリスタル・チルドレン」を探して旅する物語。具体的な内容は、ここにきれいにまとまっているので、こちらを参照されたい。本書を読むよりよっぽど面白い。

本書は痛い本ではあるが、トンデモ本ではなさそう。恐らくは、「著者が意図したとおりの楽しみ方」が出来る本だから。しかし、残念ながらその電波っぷりはたいしたことなく、期待はずれ。当時の野党最大党首にして現内閣総理大臣が推薦していなければ、読む価値はなかった。

余談だが、先の総選挙で民主党に投票した人たちは、本書に推薦文を寄せた人が総理大臣になるということをわかって投票したんだろうか?
地球温暖化の原因が、CO2ではなく鉄鉱石にあるというのなら、CO2排出量25%削減などと言う実現可能性が皆無に近いことを言わないで、製鉄量削減と表明すればいいのに。何を考えてるんだろ。



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2010年2月26日金曜日

023 / 303 柳生新陰流を学ぶ

「本を書いた人と知り合った」ことはあるが、「知っている人が本を書いた」のははじめて。
(正確には執筆ではなく、打太刀等での協力らしい)
なので、早速読んでみた。図書館で借りたのだが・・・

内容はかなり真剣なもので、古流剣術の動きについて、独習が可能なように書かれている。酒を飲みながら気楽に読むような本ではなく、その道を志す人が、手元に置いて真剣に読み込むべきものだろう。借りてきた本には多数の傍線や書き込みがあり、本書は寄付されたものであろうか。読み込んだ痕跡がある。

内容について評価するのは恐れ多い。
真剣に読むべき本。



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2010年2月25日木曜日

マインドマップ基礎講座

mindmap.jpの伊藤先生が主催する、マインドマップ基礎講座を受講してきた。マインドマップについては、これまで佐貴子さんのフォトリーディングで簡単なレクチャーを受けただけ。その後我流でいろいろ描いていたが、次第に面倒くさくなって描かなくなった。

今回受講しようと思った理由は大きく3つ。

・最近読んだ本よりも、昔読んでマインドマップを描いた本の方が、内容を覚えていること
・フォトリーディングの受講生仲間と話をしていたら、マインドマップを使いこなしている匂いが強く漂ってくること
・自分自身、「使いこなせるようになると大きな力になるだろうな」と感じ始めていたこと

しかし、マインドマップを描かなくなた一番の理由は、イラストを描くことに抵抗があること。セントラルイメージだけではなく、周囲にもイラストを描くなんて面倒だし、何より大変。そこで、イラストについて指導があるか、を観点にして、講師を誰にしようか捜してみた。

一番候補として有力だったのは、倉橋竜哉氏の講座。しかし残念ながら日程が合わず、断念。次に候補とした伊藤先生にコンタクトを取り、イラストについていろいろ質問し、受講を決定。

講座は4人という少人数で、それだけに個別に感じている問題点について、細々と説明があった。実際にマインドマップを描くワークは少なく、むしろマインドマップの根本にある考え方、ルールの意味などについての説明に重点が置かれていた。

マインドマップを勉強に使う場合についての説明で、復習の重要性について語っていたのが印象的。佐貴子さんのフォトリーディングでも、園氏の速習法でも、同じようなことを言っていたな。その中で、「思い出しながらマインドマップを描いてみる」というのが、なるほどそれならと納得。

受講後希望者は懇親会だったのだが、日曜日ということもあってか、希望者は俺だけ。なので、伊藤先生と二人だけで、1時間半ほど酒を飲みながらいろいろ話をした。これが一番贅沢な時間だったかも知れぬ。

まずはマインドマップを習慣化させないと。とりあえず今は、毎日何らかの形で描いている。

022 / 302 超・居酒屋入門

10点満点で、7点。

まじめに座って読むような本ではない。酒でも飲みながら、あるいは寝床で読むべき本。なので、一週間かけてのんびりと読んだ。

「一人前の大人ならば、良い居酒屋を一人で見つけたい。それがはじめての店であっても、臆せず一人で入りたい。そしてしばし寛いだならば、平然ときれいに帰りたい」

この一文にあるとおり、居酒屋で「大人の時間」を味わうためのマナー、コツが淡々と書いてある。

著者おすすめの店なども紹介してあるが、別にこだわることはない。雰囲気が良く、一人静かな時間を過ごすことが出来て、うまい酒と肴がある店を自分で見つけることが出来れば、幸せじゃないか。

著者の愉しみ方は洗練されていて、なるほど大人ならこうありたい、と素直に感じた。居酒屋行きてえなあ。



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021 / 301 焼き鳥はなぜ串に刺さっているのか?

10点満点で、5点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

内容が悪いわけではなく、俺が読者としてふさわしくなかったと言うべきだろう。サブタイトルの「儲けるために知っておきたい生産管理の基礎知識」とあるように、雑学本のようなタイトルでありながら、しっかりした製造業向け生産管理の内容になっている。

その分、読者に前提知識を要求している。少なくとも俺のレベルでは、流し読みではよくわからない箇所がたくさんあった。

難点を上げるとすれば、記述スタイルの不徹底かな。数式がそれなりに出てくるのだが、式で記述したり、文章で記述したりとごちゃごちゃしていてわかりにくい。しかも、文章での記述の方が多い感がある。式は式、とはっきり分けた方が読みやすいと思うなあ。



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2010年2月22日月曜日

020 / 300 脳を活性化する速読メソッド

10点満点で、6点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

速読が出来るとはどういうことか、速読できているというのはどういう状態なのかを語った本。
一応トレーニングも書いてはあるが、本書を読むだけで速読できるようにはならないと思う。著者自身、「本で伝えるのは難しい」と書いているし。

「速読と理解度とは関係ない」とか、「速読は気合い入れて挑戦するようなものではない」とか、そういったことが書いてある。そのほかは、速読の力を応用したらこんなことが出来るんですよ、といった話ばかり。

結局、「出来るようになりたければセミナーに来てね」と言うことなんだな。
速読本の多くは「有料のセミナー宣伝」という話をよく聞くが、本書もその一端。



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2010年2月20日土曜日

019 / 299 記憶力を伸ばす技術

10点満点で、7点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

タイトルと内容は、若干違う。
記憶の技術というよりも、記憶術の歴史、記憶のメカニズムなどに重点を置いた構成になっている。

テクニックとしてはスタンダードなものだが、解説が若干薄っぺらい。これだけで記憶術を習得するのは難しいのではないだろうか。所々に演習があり、それは確かに良さそうなものであるが。

記憶術としては、「図解『絶対記憶』メソッド」を読んだり、アクティブ・ブレイン・セミナーを受講する方が確実に習得できるだろう。しかし後半に記憶術の活用法があり、これは大いにヒントになると思う。

既に記憶術というものを知っていて、いくらか使える人向けの本かな。



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2010年2月19日金曜日

018 / 298 戦略の格言

咀嚼しきれなかったので、採点しない。

読書時間(普通に読んだ)・・・5時間弱

スキタリングでさらりと読むつもりが、難解だったのでかなり時間をかけた。
表現は平易なものを使っており、文章そのものがわかりにくいわけではない。軍事的、政治的、あるいは地政学的な予備知識を前提として要求しているので、その素養がないと難解というだけ。

戦略論全体の入門書を意図して書かれたようだが、本書を読むための入門書が必要だと思う。その意味では、万人に勧められる本ではない。少なくとも俺には難解だった。

40の格言について、簡潔に(難解だが)まとめられた小論文集といった形。個別に参考文献も書いてあるので、学術研究の意識で読むにはいいだろう。

本書で深く頭に残ったのを一つ例に挙げると、格言30。

「外には常に暴虐者や悪者、ならず者、そして愚か者がいるが、内にも害を及ぼしてくる奴らがいる」

その解説の中に、「一番危険なリーダーは『愚か者』。暴虐者や悪者、ならず者は、実は合理的な政治家であることが多い」とある。まさに今の日本のことではないか・・・「戦略の失敗を取り返すことは極めて難しい」のだが・・・



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2010年2月14日日曜日

017 / 297 三国志で学ぶランチェスターの法則

10点満点で、5点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

ランチェスターの法則を、三国志のエピソードに絡めてわかりやすく紹介した本。Amazonでの評価は高いのだが、どうかなあ。そんなにいい本とは思えなかった。

まず、タイトルからしてうるさ型の三国志ファンが食いついてきそうなモノだが、そこまで考えていたのだろうか。基本的に三国志演義がベースになっていて、巻末の参考文献には筆頭として正史が上げられているのが信じられない。著者の知識は俺と同程度、マニア未満のただのファンではなかろうか。

三国志演義は、史実をベースにしてはいるが、あくまでも創作物。なので、いかにもそのエピソードを歴史的事実のように取り上げられても、違和感が残る。「三国志演義のこの展開は、ランチェスターの法則からも理にかなっているのだ」という紹介の仕方なら、また違ったのかもしれないが・・・

「時には陽動作戦が効果的」という章で、「価格で相手の意表を突く」例が、こともあろうに一円入札。確かに効果的ではあったが、他に例が挙げられなかったという視点で見ると、これはビジネスへの応用が見いだせなかったのではないか。著者自ら「会社の信用を失墜する行為」と言っているものを、ランチェスターの法則を応用していると紹介されても。

著者の三国志に対する造詣の深さに疑問を覚え、またランチェスターの法則への造詣の深さにも疑問を覚えた。
読み手の知見にも依るのだろうが、人に勧めることが出来る本ではないな。



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2010年2月9日火曜日

016 / 296 記憶力日本選手権チャンピオンが教えるスーパー記憶術

10点満点で、3点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

これは無理だろ。
著者は確かに使いこなしているのかもしれないが、この本を読んで著者の記憶術が使えるようになるとは思えない。そもそも、いったい何を言ってるのかわからない、理解に苦しむところが多すぎる。

説明は乱暴だし、話が飛躍するし、本書に書いてあることがちゃんと理解できる人がいったいどれだけいるのか、さっぱりわからない。

図解「絶対記憶」メソッドはちゃんと読めば使いこなせるようになると思うが、本書はダメだ。



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2010年2月7日日曜日

015 / 295 翔ぶが如く 十

維新三傑。木戸が病に倒れ、西郷が城山で死に、大久保が斬られた。
そして、日本の夜明けが終わり、近代明治へと突入していく。

読み終えて、この作品では「司馬史観」なるものを初めて実感した気がする。西郷は明治維新でその才能を使い切ってしまっており、そのあとは考えることをやめてしまった。最善を尽くそうとする野村忍介らを遠ざけ、辺見十郎太や別府晋介らとともに死地に向かっていく。

「学問があれば余人の及ばぬ英雄」と評された桐野は、個人の武勇で戦う匹夫であり、将の器ではなかった。

人を見る目がなかったと言えばそれまでだが、明治維新の西郷とはまるで別人としか思えない。征韓論に固執したときから既に、戦略眼を失っていたのだろう。戦略もなく、展望もなく、ただ士卒を死なせ、そして城山で死んだ。西郷を担ぎ上げた士族は良かろうが、強制的に挑発されて骸となった侍たちこそいい面の皮だろう。

「西郷は担ぎ上げられた被害者」という評価が多いのは知っているが、西郷には自分のために命を落とす者たちを減らす義務があった。長州出身の俺は、元々西郷はあまり好きではなかったのだが、本書を読了してはっきりと「嫌い」になった。

小説とは言え、司馬作品の躍動感があまりなく、歴史書のような構成で、読みづらい作品だった。
西南戦争が勃発してからは読みやすかったが、司馬遼太郎ファンでも評価の分かれる作品ではないかな。



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2010年2月6日土曜日

014 / 294 どこの会社でも通用する、ポータブル・スキルを身につけろ!

10点満点で、8点。

活性化(普通に読んだ)・・・30分程度

非常に読みやすい本なので、寝不足の中でもさらりと読めたが、良書。
「会社の垣根を越えて使えるスキル」というものを考えているので、特定の分野でしか使えない、範囲の狭いものは取り上げていない。

勝間和代氏は代表的なものとして「会計」「英語」「IT」を上げているが、町の水道屋さんで英語やITの知識が必要だろうか? 勝間本はどうしても、著者の思想が強すぎて、そのまま受け入れられない自分がいる。しかし、本書の主張はすんなり入ってきた。

本書では、ポータブル・スキルを11に分類している。
勉強力、行動力、自己投資力、時間投資力、やる気キープ力、気配り力、発想力、文章・コピー力、問題解決力、自分ブランド力、成長力。いずれもその必要性がわかりやすく書いてあり、なるほどそうだと素直に受け入れることが出来た。

個人的になるほどと思ったのは、やる気キープ力。「やる気を出すのは大変、むしろやる気を下げないことが大切」という主張は、目から鱗が落ちた。どこかで読んだような気もする主張だが、本書ほど素直には受け止めることが出来なかったのだろう。本書では、なるほどそうだよなあ、と感じ入った。

寝不足でぼんやりしながら読んだが、もったいなかった。もう一度読み返しておこう。



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2010年2月2日火曜日

013 / 293 死体はみんな生きている

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・3時間程度

死体には、生きている人間には決して出来ないことを、平気でやってのける力がある。
医師の卵のために練習台となり、事故の衝撃を調べるためにぶつけられ、肥料にだってなる。

本書では、死体利用の歴史にも触れつつ、様々な形で利用される死体たちの活躍を、これでもかと言うほどのブラックユーモアに包んで語っている。美容整形のモデルとなる40個の頭部(生首と言ってはいけない)、(たぶん)飛行機から飛び降り、銃器の的となり・・・

自動車の安全性を高めるためのシートベルトやエアバッグ。ダミー人形でどの程度の衝撃を受けるかを研究するのは当然として、「どれだけの力を受けると人間は致命的な被害を受けるのか?」は、やはり死体をぶつけてみないとわからない! 言われれば当たり前だ。そうして何人もの死体が2度3度と死んできたから、衝撃をどの程度に抑えれば人間は死なないと言えるのだ。

犯罪捜査で、腐乱死体から死後何日程度経っているかどうかを推測する。その根拠は? もちろん、同じような条件で腐敗させた死体と比較しているのだ!

献体という文化がしっかり根付いている国だからこそのことだろうか。以前「人体の不思議展」に、どういう訳か司法解剖を生業としている人と行ったことがある。献体された遺体を前に、いろいろ解説してくれて、気持ち悪いような生臭いような、妙な気分になったのを覚えている。しかし、それが特別なことではない世界もあるのだろう。

このほか本書では、人間が確実に死んだかどうかを判定する技術、食人文化、肥料としての再利用など、カタギの人生を送っている分にはまず必要となることはないであろう知識を身につけることが出来る。NHK出版だというのも味があっていい。



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