2009年7月23日木曜日

160 / 204 防衛ってなに

10点満点で、7点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

積ん読解消キャンペーン。いったい何年前に買った本だかわからないが、図書館で借りた本を一通り読んだので、手に取る余裕ができた。

日本の安全保障に関するトピックスを、91項目に分けてQ&A形式で解説している。それぞれわかりやすい解説で、入門書としては適切だという感想を持ったが、いかんせん作りが雑。

ジャンル別に分類されているわけではなく、話題がそこかしこに飛ぶ。互いに関連する項目も少なくないのだが、何ページも進んだところで「さっき読んだような・・・」という話題に出会うことが少なくない。せめて章立ての構成にして、同じ話題についてはまとめて欲しかったところ。

それと、質問に答えていない項目が散見されたこと。一例として、「小銃ってなに?」という問いについて、回答として載っているのは自衛隊が使用している八九式自動小銃の仕様。いや、そんなこと聞いてないでしょ、と突っ込みを入れたくなるところがほかにもある。

全体像を俯瞰できないので、入門書レベルの内容ながら(俺にはちょうどいい)、入門書としては進めにくい。いやな本だなあ。



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159 / 203 鉄の未来が見える本

俺には難易度が高かったので、採点不能。

活性化(普通に読んだような・・・)・・・1時間半程度

あらゆる産業の基盤となる基本材料、鉄について、その応用を主に語った本。オールカラーで図も多く、取っつきそうな印象を持たせる本だが、内容は高度。学生時代、材料化学が不可と可の間を行ったり来たりしていた俺には、理解できない箇所が多々あり、諦めてわかるところだけ重点的に読んだ。

細部については理解できていないため触れないが、本書を読んで得た一番の感想は、「やはり日本は技術立国なのだな」と言うこと。日本でしか作れない各種の合金、様々な機能を持った高性能鉄鋼材料について、著者たちの誇りもあるのだろう、「これこれの品質を持った鉄を作れるのは日本の数社だけです」といった箇所が多々ある。自動車メーカーなどが次々に生産拠点を海外へ移転しているが、それでも重要部分の材料は日本から調達していると言ったところを読むと、逆にこの技術が流出してしまったら日本は終わるのではないかと、不安すら感じてしまう。

産業の基盤を支える、それでいて世界最先端の技術を実現する、無名の技術者たちを、日本はもっと大切にしていい。マネーゲームで金を得るような連中は、社会に、そして国家に貢献しているわけではないのだ。



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2009年7月22日水曜日

158 / 202 フェルマーの最終定理

10点満点で、9点。

活性化(普通に読んだ)・・・2時間半程度

数学でもっとも著名な難題、フェルマーの最終定理が証明されるまでのドキュメンタリーなので、読破に時間がかかるのは当然。むしろ、じっくり理解しながら読まないと、本書の面白さは読み取れない。本質的にはかなり難しい話なので、じっくり読んだところで理解はできないのだが・・・

ピタゴラスの時代から始まり、フェルマーが問題を残すまで、そしてそれに挑んだ数学者たちの苦悩と挫折が丁寧に描かれている。光明を見つけたかと思えば袋小路に行き当たり、扉があるかと思えば足下が崩れ、300年以上にわたり挑戦者を拒み続けてきた難題。ワイルズがいかに挑み、挫折し、立ち直って証明を達成したのか、かなりの筆力で描かれており、引き込まれる。

前書きにも書かれているとおり、数学的な素養のない読者(俺のような人物だ)を想定して書かれた本書は、なるべく平易にわかりやすく記述がなされており、読みやすい。テーマそのものの根本的な難易度の高さはいかんともしがたく、どうにも理解できない箇所は多数あるが、「どうやらとんでもなく難しいことのようだ」「その道のプロでも引っかかる難題だ」といった空気は読み取れる。

以前読んだ「哲学的な何か、あと数学とか」の書評で、本書の要約ではないかといった趣旨のものを見かけたことがあるが、確かにそんな気がする。とはいえ後者は本書よりも遙かに読みやすく、それはそれで価値のある本だとは思うが。



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非書評:育児:でんしゃでいこう でんしゃでかえろう

書評ではないといいつつ、絵本について。

「前からでも後ろからでも読める絵本」というところに惹かれて購入。
少し大きめの本屋に行ったらおいてあった。奥付を見ると40刷りを超えているし、指名で買いに行っても置いてたくらいだから、相当売れているのだろう。

山の駅から出発して海の駅まで。トンネルを抜けると風景が変わるという作りで、同じ内容ながら行きと帰りという読み方ができる。ネットでの書評を見るに、対象年齢は1歳半くらいから、結構喜んでる子供が多いようだが・・・

残念ながら、うちの武蔵丸(仮名:1歳9ヶ月)はまだよくわからないようだ。まだしゃべらないしな。特に乗り物が好きなわけでもない、さほど関心を抱く対象ではなかったらしい。ページをめくるのは好きだけど。

とはいえ、作りはおもしろい。同じような絵本はほかにもあるようなので、2歳になったら買ってやるかな。



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2009年7月21日火曜日

157 / 201 交渉術

10点満点で、8点。

活性化(普通に読んだ)・・・2時間半程度

もはや著者買い。最近愛読している、佐藤優氏(つい先日最高裁で上告棄却、有罪確定)のインテリジェンスもの。
本書は「交渉術」と銘打ってはいるが、実際のところは著者が関与した、北方領土交渉の内情を語っている。赤裸々な暴露本というわけでもなく、著者は何を考えて動き、外務省は何を考え、政治家は何を考え、そして一部政治家や官僚、マスコミがいかにその努力をぶちこわしたか、が淡々と描かれている。

とはいえ、著者のスタンスからすると、本書の内容を鵜呑みにするのは「インテリジェンスとして失格」だろう。そう思いながらも、俺の乏しい知識では、本書からは明らかな矛盾や論理の間違いを見つけ出せなかった。

本書や著者のほかの本を読んでからずいぶん変わったが、俺だって宗男バッシングの時期は「あんなやつに政治家をやらせるなんて、北海道の連中はなんて民度が低いんだ」と思っていたからな。いかに限られた知識で物事を見るのが危険か、客観的なつもりでも見えていないことがどれだけあるのか、著書を読むたびに思い知らされる。



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156 / 200 ああ、堂々の自衛隊

10点満点で、7点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

カンボジアの自衛隊PKO従軍記。「自衛隊は軍隊ではない」とか余計なことはいうまい。
テーマも内容も、割と深刻なことも書いているはずだが、そんなことを感じさせない。「不肖・宮嶋」氏一流のおちゃらけた文体で軽やかに仕上がっている。生理的に受け入れない人も多いと思うが。

その文体のせいでどこまでが本当のことなのかわからないが、「朝日新聞、毎日新聞などのメディアが取材を取り下げたおかげで」独占取材となり、大部屋から士官室へと格上げされた往路。指揮官自らが「こんな船では行きたくない」なんてこぼすほどの小型船に乗り、ゲロにまみれた2週間。意外だったのは、陸自の隊員も結構船にはやられるのだな。

着けば着いたで、「便宜を図ってはならない」とのお達しのおかげで、いかに現地が不便なところかを思い知った様子がよく伝わってくる。その中でも明るさを失わないところがまたいい。

そして、ピースボートの来襲。ついこないだも、あれだけ派遣に反対しておきながら、自分たちはちゃっかりソマリア沖で自衛隊に護衛してもらったというニュースで失笑をさらっていたが、何のことはない、10年前からその兆候はしっかり見せてくれているのだ。それを生暖かく許容する自衛隊の懐の深さが、いい。

そういえば、自衛隊に護衛してもらっていたピースボートご一行は、「生きる糧を得る手段がないので海賊になる」連中から守ってもらいながら、優勝賞品として船内バーでの飲み放題をかけてゲームに興じていたんだなあ。「軍隊では平和は達成できない、海賊には支援が必要だ」といいながら。

まじめに書けば深刻な問題提起となりうることがたくさん書いてあるが、気楽に読める。肩肘張らずに読むのがいい。



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155 / 199 奇跡のリンゴ

10点満点で、7点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

無農薬でリンゴを作るという、壮大かつ無謀な挑戦をした農家、木村さんの物語。
いったいどれだけ無謀なことだったか、農業知識のない俺には本書から推察するほかないが、人生を狂わせかねないほどの大変さだった、ということはよくわかる。

農薬の代わりとなるものを探し続け、薬か否かではない、人為的に生物を取捨選択するのをやめるという観念にたどり着いてから、リンゴができあるまでの話は、さらりとした文体で書いてあるが相当な苦労だろう。自殺を考えたほどなのだから。

惜しむらくは、有名になりすぎてしまい、木村さんのリンゴを実際に食べることが極めて困難なこと。一度食べてみたいがなあ。

著者の筆力ももう少しほしいところ。



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154 / 198 辞めない採用 即戦力の育成で 儲かる会社になる!

10点満点で、7点。

活性化(スキタリング)・・・1時間程度

過去に仕事をしたことがある会社が紹介されているということで、読んでみた。
正直なところ評価の難しい本だとは思うが、経営者向けに書いてある内容が多く、俺のような兵隊が自己啓発のために読むためのものではないと感じたので、少し辛めに採点した。経営者、あるいはその地位を狙っている人が読めば、また違った評価になるだろう。

読んでいて違和感を感じたのは、定期的に、それも2年とか3年とかといった短いスパンで異動させることを推奨していること。「所詮その程度の会社を相手にしているのか」と感じてしまった。もちろん著者の言わんとするところは別にあるのだろうが、習得難易度の高い技術、ノウハウを要求する仕事なら、そんなことはしたくてもできないだろう。

簡単な話、大学卒業程度の技術力が必要な開発業務に、3年で異動する人事文化を創ってしまったら、その会社の技術は絶対に進歩しない。特定分野に特化すれば別だという見方もあるだろうが、スタートラインに立つこともできないまま、異動してしまうような連中ばかりで技術力の強化なんてできるものか。

「ものづくり日本」の衰退はこんなところにも現れているのだなあ、と変な感慨を持ってしまった。



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2009年7月14日火曜日

153 / 197 起きていることはすべて正しい

記憶に残っていないので、採点できない。

読書時間(急いで読んだ)・・・1時間程度

フォトリーディングせずに、早く読んでみた。勝間本もまぁまぁ読んできたので、それなりに読めるだろうと思ったこと。最近趣味の読書が多く、フォトリーディングの効果があるのかわからなくなってきたこと。そもそも普通に読んでも割と早く読めるようになってるんじゃないかと思ってきたこと。そんなことがいろいろあって、フォトリーディングをせずに早く読むことを意識してみた。

結論から言うと、やはりフォトリーディングの効果はあるようだ。フォトリーディングしたときと同程度の時間で読めたが、何が書いてあったのか、情けないくらい頭に残っていない。ただ字面を追ってしまった感じ。読んでいる最中に、「この本ならでは」の要素を見つけられず、他の著書でも読んだようなことばかりだなあと言う印象を受けていたから、そのせいかもしれないが。

メンタル面をコントロールする技術を紹介する、と冒頭に書いてあった気がする。そのせいか、「三毒追放(妬まない、怒らない、愚痴らない)」についてやたら多くのページが割いてあった。今まで読み流していた「三毒追放」について、もっと意識してみようと感じたから、その効果は俺にはあったようだ。

時間をおいて読み返してみるべき本だな。



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2009年7月13日月曜日

152 / 196 朝日新聞血風録

10点満点で、6点。

活性化(スキタリング)・・・2時間程度

話題がそこかしこに飛ぶので、スキタリングで読んでもかなりの時間を要した。
偏向・捏造報道の名を欲しいままにする朝日新聞について、元社員の立場から内部を暴き出した本。中国、旧ソ連、北朝鮮などへの翼賛報道の裏側、社内抵抗勢力がいかに潰されてきたかが赤裸々に描かれている。

とはいえ、本書の性質上、クロスチェックのしようがない情報が多い。文章も感情的になっている箇所が少なくないため、かえって一概に信用していい物かどうか判断に困る。単に読み物として読めば、興味深いことがたくさん書いてはあるが。

ネットで新聞以外のソースからニュースを得ることができるようになったのはここ数年、それ以前は俺も「新聞社によってスタンスは違うが、基本的に新聞は信用できるもの」と考えていた。今でも「もっとも信用できるニュースソース」という考え方自体は変わっていないが、「新聞では報道されないことが存在する」ということを知り、また報道されたことも「複数のソースで伝え方を比較する」という読み方をするようになり、一次情報として真に受けることはずいぶん減ってしまった。本書を読む限り、それでは足りず「新聞報道を信じてはならない」と警鐘を鳴らしている気がする。

本書を手に取るような人は、新聞報道(特に朝日)の偏向性、危険性はよく知っているだろう。その意味では、社会的な意義や影響力がどの程度あるか、疑問がある。興味の対象として読むべき本かな。

一番読み応えがあったのは、櫻井よしこさんの解説だった・・・



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151 / 195 なぜ君は絶望と闘えたのか

10点満点で、9点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

光市母子殺害事件。残忍な犯行ながら犯人が18歳ということもあり、死刑判決が出るか否かで日本中が注目した事件。一審二審ともに無期懲役の判決となり、最高裁で審理差し戻し、再審で死刑判決が出た事件。最高裁で審理差し戻しの決定が出た当時、mixiの日記で「最高裁は責任を持って判断しろ」と書いた記憶がある。

本書は遺族である本村洋氏に近い立場から書かれたものだから、客観性に疑いがあることは承知の上で、本書を読む限り司法のいびつさ、人権派弁護士の醜悪さが浮き出ている。法律は誰のためにあるのか、加害者と被害者のいずれを守るべきか、という問題が、遺族の戦いを通じて描き出されている。

司法の醜悪さについては、観る人によって感想が違うだろうから、触れない。ただ、一審の判決が出たときに「控訴も上告も望まない。被告が出獄したとき、自分の手で殺す」と言い切った本村氏に、「これが判例になってはいけない、辛いとは思うが、司法を変えるために闘おう」と言った検察に、幾ばくかの救いを感じた。

人権派弁護士の醜悪さについては、ここに書くまでもなく、少し調べればいくらでも事例は出てくる。いずれも共通するのは、人権とは「加害者の人権」であって、「被害者の人権」は存在しないことになっているという態度。本書でも、弁護士たちは「手弁当で参集」と書いてあるが、俺から見ると「自分たちの主義主張のために事件を利用する醜悪な連中」にしか見えないが、これはあくまで個人的な感想。

本書でもっとも秀逸な、社会に救いを見せてくれる箇所は、本村氏の勤務する新日鐵の工場長が、辞職を申し出た本村氏を諭す場面だろう。「君は、社会人として闘ってくれ」と。
言わんとする意味は複数あるのだろうが、俺自身が何を読み取れたかは正直よくわからない。ただひたすら感動した。こういう上司に恵まれたいし、人の上に立つことがあれば、こういう人物でありたいものだ。



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2009年7月11日土曜日

150 / 194 あっと驚く船の話

10点満点で、8点。

活性化(普通に読んだ)・・・3時間程度

サブタイトルにあるとおり、「沈没・漂流・失踪・反乱」などについて29の事件/事故を取り上げた本。意外なエピソードとか、船の雑学みたいなものを期待していたが、まるで違った。

とはいえ内容は面白い。「海難の70%は人間の不注意、不用意な行動に起因する」と言うとおり、多くの事例できっかけは自然現象ながら、「適切な判断ができていれば避け得た事故」がほとんどを占める。また、事故が発生したあとの人間の醜さも思い知らせてくれる。

その中で、さすが海の男と感じ入ったエピソードが一件。第3章、「輸送艦バークンヘッド号の遭難と教訓」に取り上げられていたもの。沈みゆく船で、整然と部下に対し乗客の退避と自分たちの避難に指示を出し、多くを救った艦隊指令のセトン大佐。「再び陸地でお会いいたしましょう」と声をかけてきた将校に対し、「それは無理だと思うね。実は私はカナヅチなんだ」のひと言。これぞ軍人、これぞ海の男と言うべきか。海の男ではないかもしれないが。

悲しいかな、こういった艦長や司令官が、他の事件では見受けられないのだが・・・



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149 / 193 戦術と指揮

10点満点で、8点。

活性化(考えながら読んだ)・・・2時間程度

まさにタイトル通り、「戦術」と「指揮」について書かれた本。テキストと言っていいんじゃないかな。防大とか、あるいは世界の軍事大学なんかでは、戦術論としてこういうのを勉強してるんじゃないだろうか。

戦力の投入順序、優位な体勢、小隊長と大隊長の行動基準の違いなど、豊富な問題と解説で、わかりやすく詳しく、ケースバイケースでの対応について記述してある。とはいえ俺にはまだ難しいが・・・

戦術行動の選択肢において、仲間を見捨てることになる行動については「問題外」と一蹴しているスタンスが気持ちいい。恐らく、現在の自衛隊では同様の教育がなされているのだろうし、米軍なんかは昔からそうなのだろう。旧日本軍はそうではなかったし、恐らくロシアや中共、北韓も違うとは思うが。

時折挿入されるコラムがまた面白い。

この本が読みこなせると、歴史書(≠小説)を読むときに面白さが倍増するだろう。



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2009年7月8日水曜日

148 / 192 戦争の常識

10点満点で、9点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

この本はいい。俺のように、「政治の手段、現実としての軍事」に関心を持つ者が、基本的な知識を身につけるのには最適だと思う。反対に、個別の兵器や戦史に関心があって、そこから軍事について知りたいと思う向きには、求めているものとは大きく違うのではないかと思うが。

根本的な「そもそもなぜ軍隊には階級が必須なのか」といったものから、陸海空軍の役割、現在の主力兵装と直面する問題点など、非常にわかりやすく書いてある。軍備とは相手に備えるものだから、当然「この装備ではこういう相手に対応できない」とか、「この能力があれば相手の意図を抑えることができる」など、具体的な記述がなされており、予備知識がなくともすらすら読める。

核戦争の危機についても、核戦力の小型化によりより危険性が高まっている(MADの前提が崩れている)ことなど、実に具体的。一度で十分わかった気になるが、何度も読み返して、基礎知識として体に染み込ませるべき本だろう。

本書はあくまで入門書。サッカーで言うなら、ルールとポジションごとに期待される役割を解説した程度でしかない。それでいて、この本に書かれていることを知っている人がいったいどれだけいるか。この本に書かれていることも知らないで、エラそうに政治や軍事を語る人が(俺を含めて)いったいどれだけいることか。考えさせられた。



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2009年7月7日火曜日

147 / 191 成功の心理学

10点満点で、8点。

活性化(スキタリング)・・・1時間程度

細切れ時間に読んだので、実際の所要時間はもっと長いか、あるいは逆に短いかもしれない。

ひと言で乱暴に言ってしまうと、いかにポジティブシンキングが大切かを解いた本。「目標達成する技術」とかでも同様のことが書いてあり、古典的な真理なのかもしれない。他にも同様のことを書いてある本は多い。

とはいえ書き方はうまく、また一つの単元が短くまとまっているので、読みやすい。さらっと流し読みするつもりが、何カ所かは感じ入って熟読した。こういう読み方が本来のスキタリングなんだろうな。

「体が覚え込むまで一ヶ月繰り返し読むこと」と書いてあるまとめは、非常にいい。
図書館で借りた本なので、繰り返し読むことはできないのだが・・・



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2009年7月6日月曜日

146 / 190 毎日笑ってたっぷり半年笑える 続・ジョーク世界一

10点満点で、6点。

この本も、読書時間を云々するようなものではない。

前著と同じく、「期待してたんだがなぁ・・・」という感想。俺の好みとは合わなかったんだろうな。
文庫本に近い価格で230編のジョークを収録しているから、コストパフォーマンスは悪くないのだろうが、ジョークには好みが左右する部分が大きいということを知ったことが収穫、と考えておこう。

こういう作品が好きな人も多いだろうから、コレばっかりは好みの問題としか言いようがない。



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145 / 189 毎日笑って半年笑える ジョーク世界一

10点満点で、6点。

読書時間を評価するような本ではないだろう。

1日1本として190日分、190編のジョークが収録された本。
ジョークには好みがあると思うが、俺にはあまり面白いと思えなかった。クスリと笑うのが数本に一本、ニヤリと笑うのはもっと少ない。

もっと面白いかと思ったんだがなあ。何年も前に読んだ、ユダヤ・ジョーク集の方が面白かった。



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144 / 188 マネーロンダリング入門

10点満点で、6点。

活性化(普通に読んだ)・・・2時間弱

いつの日か、「大声では言えない方法で大金を得たとき」のために読んでみた。
専門知識がなくとも読めるように書いたと書いてあるが、、、うーん、そうかな? 俺にはよくわからないことが多かった。

話としては面白いものが多かったのだが、やはり理解が浅い分、本当に書いてあることの価値を読み取れたかどうか、大いに疑問。いや、確実に読み落としている情報の方が多いだろう。

素人が読んでもそれなりに面白かったから、多少なりとも知識を持っている人が読めば、かなり楽しめる本だと思う。その意味では、俺にはもう少し、入門書を読んでから取り組むべき本だったかな。



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2009年7月1日水曜日

143 / 187 哲学的な何か、あと科学とか

10点満点で、6点。

普通に読んで、1時間程度。

哲学的な何か、あと数学とか」が面白かったので読んでみた。出版順はこちらの方が先なので、こちらから先に読むのが筋だったのかもしれないが、結果としては正解。先にこちらを読んでいたら、多分2冊目は読まなかっただろう。

一見直接的には結びつかない「哲学」と「科学」が、近代物理学や近代数学でどう結びついてきたか、そして「ゲーデルの不確定性原理」で決定的に科学としての不完全性を指摘されて世界が混乱に陥ったのか、わかりやすく書いてある。読んでいてわからなくなることはないが、内容が内容だけに、正確を期するため冗長な記述も多く、途中で飽きが来てしまった。

内容は悪くないと思うのだが、哲学という部分が、敷居を高くしてしまっているのか。
「難しい」というわけではなく、「面白くない」と感じてしまった。



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142 / 186 宣教師マザーテレサの生涯

10点満点で、8点。

活性化(普通に読んだ)・・・2時間半程度

伝記かと思って手に取ったが、どちらかというと学術論文に近いと思う。
その出生、思想の背景、活動の趣旨や意義など、著者はマザー自身から洗礼を受けた立場ながら、客観的な視点から詳述されており、資料価値も高いのではないだろうか。

自分個人が取り上げられることを嫌い、「すべては神の思し召し」という立場を貫き、自身の功績を示す資料は燃やしてしまおうとした、凡人の俺には想像もできない高い視点。その高潔さがあればこそ、バチカンから異例の活動認可を受け、9割近い国民がヒンズー教徒のインドで国葬が行われ、「もっとも偉大なインド人」に圧倒的な得票で選ばれるほど、世界中から慕われたのだろう。

もはや滅私奉公とすら言えない、この高潔さと行動力には、尊敬を通り越して崇拝したくなる。
没後わずか6年で列福されたことも、万人がそれを認めたからなのだろう。

読んでいて、何度も涙がこぼれ落ちた。
宗教を越えて万人が認める、偉大な人物だ。



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