2009年12月31日木曜日

第一種衛生管理者

第一種衛生管理者

難易度:普通

一定規模以上の事業所では必須の資格。
試験は毎週のようにやっているし、毎週100人単位で合格者が出ているわけだから、持っているからスゴい資格ではないが、持ってないとバカにされる。現にウチの職場では、事務の女性も含めて10人程度のうち、持っていないのは俺だけだった。

それでも合格率は5割程度、一応ちゃんと勉強しなければ取れない資格。

2月に機械保全技能士の試験を受けた後、準備期間は3週間程度。その間1週間ほど帰省して、あまり勉強しなかったので、実質は2週間+α程度。勉強時間の合計は20時間少々。あまり真剣にやったとは言えない時間。しかも、前日に6時間がんばっただけで、あとは1日1時間程度。

使用したテキストは、これ。問題集だけ。



本当はテキストもあったのだが、時間がなかったのでテキストなんぞ見ていない。
ついでにいうと、この問題集も、3年前に受けた人からもらい受けたもので、最新版ではなかった。

勉強方法は、最初に問題を読んで回答を読んで、マーキング。
マーキングするのは、まず問題文のポイントとなる箇所。それから回答の選択肢のうち、「正しいものを選べ」ならば正しいもの(正答肢)を、「間違っているものを選べ」なら間違っていないもの(誤答肢)。そして回答の解説でポイントとなる箇所。要は、「マーキングした箇所はすべて正しいことが書いてある」という状態にした。それから、選択肢のうち内容が間違っているものについては、赤ボールペンで正しくなるように書き換えた。

これで問題集を1冊終えるのにまず1週間。次の1週間は、ひたすら読んだ。通しで4回くらい読んだかな。他の勉強は一切していない。あとは、3日に1回くらい、勉強した後テキストをフォトリーディングした。

試験に臨んでみると、問題集が古かったせいか、全く見覚えのない問題ばかり。しかも問題の持ち帰りが許されていないので、どれくらい取れたのかさっぱりわからない。しかし幸運に恵まれて、無事合格。フォトリーディングで何度か聞いた、「突然頭の中から回答が飛び出してくる」状態には、残念ながらならなかった。

ただ資格さえ取れればいいという勉強法なので、もう内容についてはさっぱり覚えていない。今受けたら、きっと30点も取れないだろう。

この資格を取ったことについては、「やればできるもんだな」という自信を得たのが一番の収穫か。

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2009年12月27日日曜日

機械保全技能士(電気系一級)

機械保全技能士(電気系一級)

難易度:簡単

「工場の設備機械の故障や劣化を予防し、機械の正常な運転を維持し保全する能力を持つものを認定する国家資格」とのこと。工場などで、設備メンテナンスをやってる人が目指す試験と言うことか。

学科試験については、無駄に範囲が広い。特に共通問題は機械部門に特化しており、電気系で受験するには機械部門の学科が鬼門になる。材料の熱処理とか表面仕上げとか、電気保全とは関係ないのに、半分くらい出る。

とはいえ難易度は低く、予備知識なしでもそれなりの点は取れるんじゃないだろうか。俺の場合、ネット上で模擬試験みたいな問題が出てるサイトを見つけて、そこで挑戦してみたら、勉強前の状態でも合格点が取れた。しかしギリギリのラインだったこともあり、一応一ヶ月程度勉強。結果は50問中39問で、学科試験は無事合格。

この試験の一番の問題は、まともなテキストがないこと。
使用したのはこの二冊。



ちょっと調べればわかるが、入手可能なテキストは機械系保全作業ばかりで、電気系保全作業はほとんどない。学科問題集も、電気の問題なんてほとんど載ってない・・・電気は過去問すら載っていない。
実技試験のテキストもろくなことを書いてなくて、もしかしたら電気系の受験対策には、講習会(住友金属とかでやってる)以外には方法がないかもしれない。

実際に採った勉強方法は、まずテキストを通読して要点をマーキング。その後フォトリーディングしてテキストを読んで、、、を繰り返した。掲載している問題も少なく、ほとんどが正否判定型なので、テキストでは9割以上は取れていたはず。結果、学科試験は50問中39問。合格ラインは30問なので合格。
勉強時間は20時間程度か。たぶん、3~4時間で合格ラインには到達していたはず。

実技試験は不合格。与えられた回路の不良箇所を発見するという問題があり、こればかりは一人では練習のしようがない。テキストにも対策はほとんど書いておらず、講習会に行くしかなさそうだ。

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今年挑戦した資格試験

そろそろ今年を振り返っておこうか。

今年は仕事が暇なこともあり、またフォトリーディング集中講座を受講して刺激を受けたこともあり、かつてないほど資格試験を受験した。どれもレベルは高くないが、一年でこれだけ受けたことはなかったので、結構刺激的な一年ではあった。

とりあえず全体像を。

2月
機械保全技能士(電気系一級) 学科試験 39/50(合格点30)
×機械保全技能士(電気系一級) 技能試験
受験記はこちら

3月
第一種衛生管理者 得点不明(問題の持ち帰り不可であるため)
受験記はこちら

6月
第二種電気工事士 学科試験 40/50(合格点30)
一級電気工事施工管理 学科試験 52/60(合格点36)

7月
第二種電気工事士 技能試験

9月
第三種電気主任技術者 理論 70/100(合格点53.90)
第三種電気主任技術者 電力 55/100(合格点55.00)・・・得点調整のおかげ
×第三種電気主任技術者 機械 0/100(合格点49.17)・・・受験せず
第三種電気主任技術者 法規 70/100(合格点55.00)・・・5択の神が舞い降りた


10月
第一種電気工事士 学科試験 42/50(合格点30)
��一級電気工事施工管理 実地試験・・・自己採点不能。結果発表2010年2月


11月
×日商簿記三級・・・受験せず

12月
��第一種電気工事士 技能試験・・・自己採点不能。結果発表2010年1月

ちゃんと勉強した試験は、一応すべて合格した。

機械保全技能士の実技試験は、一人では練習しようのない問題で引っかかった。来年早々、講習会に行ってくる。こんなのに金払うのはもったいないと思うが・・・
施工管理の実地試験は、施工体験記述の採点が合否を分ける。自己採点のしようがないので、来年2月まで悶々とすることに。
日商簿記三級は、舐めてかかったせいで勉強が間に合わず、受験放棄。今年一番の負け試験。
電工一種の技能試験は、どちらかというと危なそう。難しい問題とは思わなかったが、スリーブに4本電線を入れるのにエラい苦労して、15分くらい余る予定が時間ギリギリ。見直す時間もなく、1カ所C欠陥が存在するのは確実。その上、スリーブへの芯線挿入が不足と判断されたら、A欠陥なので一発不合格。危ないな。

来年の予定。
2月に日商簿記三級(今度こそ受ける)
8月にエネルギー管理士(電気)
9月に電験三種(機械科目のみ)
11月頃、三種冷凍機(だっけ?)
余裕があれば、二級建築工事施工管理も。さてどうだろう。
このほか、高所作業車の特別教育(10m未満)はなんとしても受けたい。不要だろうと上司からは言われているが、いるんだって!
車両系建設機械も欲しいが、さすがにこれは使い道ないからな・・・趣味だ。
足場組み立て作業主任者も取りたいところだが、去年同僚が申し込んだら、「これは発注側が取る資格じゃない」と断られたらしい。取れないのかな。

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235 / 279 だから速読できへんねん!

10点満点で、5点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度。

本書の論旨を端的に言うならば、

「速読できるようになるといろんないいことがありますよ。でも本では伝えられないからセミナーに来てね」

ということだろう。トレーニング法はほんの少ししか書いていないし、速読の障害になることは触れていても、どうやってそれを克服するかは書いていない。さらにいうと、速読から派生する効果というのがあまりに大げさで、どうかと思うところも少なくない。しかし、どの本でも似たようなことは書いてあるので、今更特に感じるところもないわけであるが・・・

本書を読んで、速読を身につけることはできない。
身につけたいと思うことはできるだろうけれど。



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2009年12月26日土曜日

234 / 278 もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

10点満点で、9点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

フォトリーダー仲間じゅうみさんお薦めの本。skype読書会でも絶賛していたので、読んでみた。

この本、すげー。
名著だよ! 名著!

ひょんなことから高校野球のマネージャーを引き受けることになった川島みなみが、「そもそもマネージャーとは何をすればいいのだろう?」と考えて、本屋で手に取ったのがドラッカーの「マネジメント」で、それはつまり野球部にとっては何だろうと考え続け、行動し続ける。

カバーイラストは萌え系だが、内容は普通の小説。会話がやたら多いところはいわゆるライトノベルっぽいが、内容はしっかりしている。何よりも、高校野球とドラッカーという、一見結びつきそうにないものをきっちり結びつけている。今までビジネス書を読んできても、「俺の仕事は違うから」とどこか引いた視点で読んでいたことを反省させられた。本当に考えながら読んでいれば、自分の仕事にだって活かせることはきっとたくさんあったろうに。

個人的には、萌え系のカバーイラストのせいで、損してる本ではないかと思う。
多くの人に読んでもらいたい本。



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2009年12月25日金曜日

233 / 277 幸運脳をひらけ

10点満点で、6点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

・・・微妙。
アクティブ・ブレインを主催する、小田全宏先生の著書。何かの技術というわけではなく、先生の主張する「陽転思考」なのだろうか、とにかくあらゆることを前向きにとらえなさい、という主張が詰め込まれている。

具体的に何か効果があるかはやってみなければわからないが、少なくとも実害はない。なるほど、やってみようか、という気にはなる。

ただしかし、本書で再三触れられてはいるが、書いてあることは決して「科学的」ではない。
それを明言しているだけ、類書とは違うとも言えるが。



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2009年12月23日水曜日

232 / 276 翔ぶが如く 四

西郷と歩調を合わせるように新政府を去った、江藤新平が佐賀の乱を起こす。
本巻は佐賀の乱がメインかと思っていたら、わずかなページでさらりと流されていた。少し驚き。
とはいえ、佐賀の乱はわずか数日で鎮圧されたこともあり、確かにボリュームとしては小さいのか。

本巻でも、西郷とその周辺の人物たちが何を考え、どう動いたのか丁寧に描かれている。後半は征台論だが、恥ずかしながらそんなのが存在し、実際に軍事行動を起こしていたことなど知らなかった。

しかし、西郷は英雄として描かれているのかと思っていたら、結構違うな。むしろ、時代に取り残されながら、その圧倒的な影響力で隠遁することを許されない、日本にとってマイナスのエネルギーをため込んだ男、という感じがする。

だんだん面白くなってきた。



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2009年12月21日月曜日

231 / 275 翔ぶが如く 三

ようやく征韓論に決着が付くが、本巻では西郷が薩摩に帰り、周囲が騒然とするまで。
征韓論が決着するまで、これだけの紆余曲折があったとは知らなかったが、しかし読んでいてあまり面白みは感じなかった。何度も語られた各人の思想背景であり、あるいは政治的背景が繰り返し何度も語られ、いささかくどい感じが否めない。それだけ結論を出すのが難しい話だったのだろうが。

しかし、調べてみたら西南戦争が始まるのはようやく八巻になってからなんだな。
最後まで読めるか不安になってきた。飽きないかな。



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230 / 274 翔ぶが如く 二

2巻でもまだ、西南戦争が始まるどころか、征韓論に決着すら付いていない。
本巻の最後で、ようやく征韓論の是非を決める廟議が開催されるところまで。

当時の国内事情、国際情勢、登場人物たちの背景、思想信条、先駆者たちの行動など、小説というよりもむしろ歴史の教科書ではないかと思うくらい、描写は細かい。その分、司馬作品にほぼ共通すると言っていいだろう、躍動感があまり感じられない。

読んでいて何より違和感を感じるのは、登場人物たちが明治の名前で出てくること。時代を考えれば当然のことではあるが、木戸孝允であったり、桐野利秋であったり。伊藤博文、山県有朋などはまだ姓が共通なのでいいが、前者はどうしても桂小五郎、中村半次郎という意識があるので、何となくむずかゆさを感じてしまう。特に桐野は、「人斬り半次郎」というイメージが強いので、「桐野」という名前で出てくるとぴんとこない。俺だけかな。



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2009年12月19日土曜日

229 / 273 翔ぶが如く 一

全巻読むまでは採点しない。読書時間は2時間半くらいか。

大河ドラマにもなった、司馬遼太郎の歴史物。西南戦争がテーマだが、1巻ではまだ時代背景の説明しかない。おそらくは主要登場人物なのであろう、様々な人物がどう動き、何を考え、どういう未来像を描いているのかがメインテーマとなっているようだ。

一応征韓論でもめているという描写は出てくるが、まだまだ話題としては大きくない。

明治維新とは黒船来航で始まり、西南戦争の終結で終わるというのが一般的な認識だろうが、実は西南戦争にはあまり興味がなかった。西南戦争を取り上げた作品も、池波正太郎の「人斬り半次郎 賊将編」くらいしか読んだことがない。今回手に取ったきっかけは、「抜刀隊」を聴いたこと。ま、こういうきっかけで本を読むのもありかな。

個人的には、一巻では司馬遼太郎作品に共通する、明治黎明期の熱さがあまり感じられなかった。西郷という一代の英雄が道を誤っていくため、筆が鈍るのだろうか。



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2009年12月18日金曜日

アクティブ・ブレイン・セミナー

フォトリーダー仲間、じゅうみさんのお薦めで行くことにした、アクティブ・ブレイン・セミナー。じゅうみさんの記事からは、「記憶術よりもむしろ人生力」というニュアンスが伝わってくるし、その後話を聞くとますますそうだと感じたのだが、当方は純粋に記憶術を期待して参加。

なんとまぁ、我ながら呆れるというか何というか、気になり始めると止まらないので、仕事を休んでの参加。
本当は週末がいいのだが、奥さんの許可が下りないので・・・

初日、最初に人の名前を覚える練習をする。今回の参加者は41人だったので、20人と21人に分かれて、全員の名前を覚えることに。特に記憶術らしきものではないが、やってみると覚えることができた。これは反復の力かな。

その後、先生が任意に上げられた30個の単語(俺は「竣工式」と「技あり」にした。直接形あるものを表すわけではない、ちょっと意地悪な単語)をすぐに覚える実演をやってみせ、今度は参加者が20個覚えることに挑戦してみる。当然覚えられるわけもなく、俺は17個覚えることができたが、順番は無茶苦茶。ちなみに20個中17個ならかなりのもんだとは思うが、これは「図解『絶対記憶』メソッド」で予習したせいだろう。

その後記憶法をちゃんと教わって、やってみる。少し苦戦するが、30分もしないうちに全員が覚えることができた。20個を順番に上げて、逆順に思い出して、全部トータルで31秒。参加者の中で最速だったが、時間を競うものではないからどうでもいい。

その後参加者同士で問題を出し合って、当日は合計60個の単語を記憶。記憶できたところで、新たに100個覚えるようにとの宿題が出された。見た瞬間うんざりしたが、帰りの電車の中で、1時間かけずに覚えることができた。頭が慣れてきたのか。

2日目は、前日覚えた合計160個を思い出すところから。41人中39人ができて、できなかった2名も昼食後には思い出せた。先生によると、全員できたのは5年の経験で初めてとのこと。本当だろうか。自分自身があまり苦労しなかったせいか、そして今回できなかった人も130個以上はできていたことから、過去できなかった人はちゃんと宿題やってこなかっただけじゃないかと思うのだが。

2日目は漢字の覚え方、カタカナ言葉の覚え方、そして順番と言葉を結びつけて覚える方法を練習。漢字の覚え方は、正直どうだろうという気がしないでもない。覚えられるんだけど、アクティブ・ブレインとはあまり関係ないような。カタカナ言葉は、自分のものにするまで練習が必要だな。

どうでもいいが、「みんな知ってるし読めるけど、あまり書けない漢字」と言うことで、「挨拶」「薔薇」「憂鬱」という漢字を覚える練習をやったのだが・・・書けなかったの「薔薇」だけなんだよな。「挨拶」は意識して手書きで書くことがあるから覚えているのだが、「憂鬱」は嘉門達夫の歌で覚えたんだよな・・・全員の前で歌わされたのがちと恥ずかしかった。

来月は、アドバンスコースを受講する。たぶん、ここからが本番。楽しみだ。

2009年12月12日土曜日

228 / 272 孤塁の名人

10点満点で、9点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

史上最強の達人とも言われる、大東流合気柔術の佐川幸義先生について書かれた本。
著者の津本陽は、自身が剣道や抜刀術の高段者であるが故か、かえって佐川先生の凄さを率直に伝えている。

本書を読むと、人間はここまで強くなれるのかと感動するが、反面その道のりの遠さには絶望を感じてしまう。
他の武道、格闘技の実力者が佐川先生に入門しても、多くはその頂の高さに諦めて身を引いてしまった、と言うのもむべなるかな。

佐川先生は17歳の頃に合気を会得し、70歳で新たな境地に達したという。
その佐川先生の弟子たちは、何十年と教わりながらも、ついに先生の存命中は誰一人合気を会得したと認められなかったというのは、ひたすら惜しいと思う。佐川先生は、技を誤解されることを嫌って、自分の動きを映像には撮らせなかったらしいから、真の合気はどういうものか、目にする機会は永久に失われてしまったのだろうか。

90歳を超え、一人では階段も上れない体でありながら、道場では弟子たちが本気で打ちかかっても誰一人かなわないどころか、その頂に近づくことすらできなかったという。
一度でいいから、佐川先生の凄さを間近で見てみたかった。



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227 / 271 新忘れられた日本人

10点満点で、7点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

分類に困る本だが、一般的には著名と言えない人たちの成し遂げたこと、やってのけたことを綴った本。
とはいえ、プロジェクトXみたいにまじめな内容ばかりではなく、スケベ椅子の発明者(公家の出身!)とか地上げの帝王とか、変なのもいっぱい出てくる。

内容が雑ぱくなだけに、興味を持てない人物については全然面白くない。
反面、「ダイエーよりも先にスーパーを開店し、『主婦の店』というキャッチフレーズを考え出した男」とか、読売よりも前に存在した日本のプロ野球チーム(それも3チームも!)とか、おもしろい話はたくさんある。

小渕恵三、春日一幸という名物政治家の話も面白かった。こういう味のある政治家、今だったら麻生太郎が筆頭じゃないかと想像するのだが・・・

惜しむらくは、著者の文体なのか単なる悪文なのか、出来事の前後関係がわかりにくかったり人物関係がわかりにくかったり、とにかく内容を把握するのが難しい。読みにくい本。もっと推敲していれば、8点以上付けたのに。



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2009年12月5日土曜日

226 / 270 西原理恵子の太腕繁盛記 FXでガチンコ勝負!編

採点しない。サイバラだもの。読書時間だって関係ない。

FX(外国為替証拠金取引)サイトに宣伝のために掲載されながら、損失の嵐で数ヶ月後に1,000万円を失ってしまうまで、血のにじみ出るような感情で強烈に描かれている。あげくそこのFX取引サービスは終了。いやまさにサイバラというか。

やはりサイバラは、「毎日かあさん」の白サイバラもいいが、こういった黒サイバラがいい。カバーに書いてあることからして、「さあ地球を買いに行こう」とか「底って割れるのね」とか「自分を損切り」とか・・・「まあじゃんほうろうき」で垣間見た、金がなくなるにつれ我を忘れていくサイバラが、実に面白い。いやその、内容は笑い事じゃないんだけど。

しかし、FX取引サイトでこういう漫画を載せるって度胸あるなあ。



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225 / 269 図解「絶対記憶」メソッド

10点満点で、7点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

書いてあることを試しながら読んだからね。ただ読むだけなら、1時間もかからないと思う。
帯に「この記憶方のハウツーはスゴい」と書いてあるが、特にそうは感じなかった。多くの記憶法でやってる、物事をイメージして、何かにひもづけて覚えるという方法。なので、読んでいて目新しさはない。

本書の価値は、イメージの作り方について、良し悪しが具体的に書いてあることだと思う。内容そのものは、他の記憶法の本を買っても書いてあることが大半だと思うし。

ただ、例え本書の手法で単語を100個、あるいは1000個覚えることができたとして、それがどうしたんだろうという気がしないでもない。ただ単語を覚えるという脳力が必要になるケースというのはあまりないわけで、「何がどうなる」「何をどうする」こそが重要かなと感じている俺としては、「何」を覚えたところで、さして役に立たないのではないかと思う。

スピーチの覚え方、初対面の相手の顔と名前の覚え方なども載っているが、本書だけでマスターするのは難しそうだな。

・・・と、若干批判的なことを書きながら、実は今月開催のアクティブブレインセミナーに申し込んでいたりする。
本書に載っかっていることは、そのうちのごく一部なのだと期待したい。



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2009年11月30日月曜日

224 / 268 「仁義なき戦い」をつくった男たち

10点満点で、5点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

やくざ映画不朽の名作、「仁義なき戦い」の脚本家・笠原和夫と、監督・深作欣二について語られた本。
制作裏話みたいなものを期待したのだが、むしろ二人のバックボーンに焦点が当てられており、「仁義なき戦い」以外の作品に興味を持っていない身としては、さして面白く感じなかった。

公開当時現役で楽しんでいた人、特に任侠映画が好きで、「仁義なき戦い」で「任侠から外れたやくざ」の描き方に衝撃を覚えた人にとっては、面白い本だろうな、とは感じる。

一部公開されていた、笠原和夫の取材ノートは興味深い。緻密な取材がなされており、ここまでやるからこそあのリアリティが出るのか、と感心した。それに比べて最近の映画やテレビドラマは・・・と言いたくなるところだが、どちらもあまり見ていないから偉そうに言うのはやめておこう。

どうでもいいが、10年近く前、25歳くらいの頃。手がけていた建設プロジェクトが終わって、1週間の休暇をもらったときのこと。休暇明けで出社したとき、「海外旅行にでも行ってきたのか」と聞かれ、「家で映画見てました。『仁義なき戦い』とか」と答えたら、オマエいったい何歳だよ、と呆れられたのを思い出した。



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223 / 267 脳を活かす勉強法

10点満点で、5点。

活性化(スキタリング)・・・1時間弱

フォトリーディング集中セミナー受講時に一度読んだ本。とはいえそのときは内容がほとんど頭に入らず、特に読後感を得られなかった。

改めて読み返してみたが、勉強法の本と言うよりも、脳と勉強にまつわるエッセー、と言った方がいいんじゃないだろうか。具体的な方法論については、ほとんど語られていないし、取り上げられている例も一般的とは言い難いものばかり。

・集中して勉強する。ダラダラはダメ。
・時間に制限を付けると集中しやすい。
・簡単すぎず、難しすぎない難易度で。
・楽しむことが何より大切。
・達成感を得ることが、楽しむことの第一歩。

ポイントとしてはこんなところだろうか。はて、本書を読むまでもなく、どこでも言われていることのような気が・・・



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2009年11月28日土曜日

222 / 266 頭脳の果て

マトモに読んでいないから採点しにくいが・・・10点満点で、3点。

活性化(スキタリング)・・・2時間程度

自由な発想で脳の働きを活性化する、「イメージストリーミング」について語られた本。
なのだが、読んでいるうちに胡散臭さしか感じなくなり、ほとんどまじめに読まなかった。

本書に何度も書いてあるが、ただ読むだけではなく、必ず実践してみろとのこと。実践せずにこの文章を書いているので、見当違いの感想なのかもしれない。

しかし、読む限り、はっきり言うと「エセ科学」以外の何者でもないな、と言う印象。本書では相乗効果を上げる方法としてフォトリーディングについてもそれなりのページが割かれているが、こちらも胡散臭さが漂う。俺自身、10万円を払ってフォトリーディングのセミナーに参加し、今でも(我流になりつつあるが)実践していながら、フォトリーディングもエセ科学だと感じている。その胡散臭さが倍増してしまったと言うべきか。

本書で取り上げられている、「その道の権威」や「偉大な先達」には、七田眞氏やドクター中松氏などが上げられている。七田氏は超早期教育の強力な推進者。しかし、早期教育では「脳を知りたい!」で悲惨な実例について読んだし、少し調べれば他にも多くの失敗例が出てくる。そのほとんどは、人生を棒に振ってしまうほどの悲惨な失敗。その時点で、七田氏を取り上げていることそのものに、問題を感じてしまう。ドクター中松氏も、多くの発明をしているのは事実だが、誇張やトンデモも多い、天才と言うよりはアッチ側の人間だしな。

読了後、自分で試してみる気には全くならなかったのだが・・・読み手を選ぶのだろうか。



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2009年11月26日木曜日

221 / 265 映画はやくざなり

10点満点で、5点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

Wikipediaの「仁義なき戦い」の項目を読んで、映画化までのエピソードが面白かったので読んでみた。が、期待はずれ。

やくざ映画の脚本を100本単位で手がけた著者の回想録。好きな人には堪らないのだろうが、俺には古い感性で昔を思い出している、「あの頃はよかったなあ」以上の感慨を持って書かれた本とは思えなかった。

大きく二部構成となっており(最後に映画化されていない作品の脚本があるが、おまけ)、後半は脚本論をぶっている。そこで、北野武作品について舌鋒鋭く糾弾している。個人的には北野武作品は、恐怖と迫力だけでできあがっていると思っているので(初期作品しか見てないし)、割と著者の意見には同意。しかし、それが一般的に支持を集める意見かというと、どうかな。

ま、昔々のやくざ映画大好きな人が読む本なのだろうな。



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2009年11月23日月曜日

220 / 264 桶川ストーカー殺人事件

10点満点で、9点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

1時間程度でさらっと読むつもりだったが、ぐいぐい引き込まれた。
警察の怠慢によって引き起こされた事件として話題になった、桶川ストーカー殺人事件について、発生から犯人逮捕、そして首謀者の自殺までを追った本。ただのルポではなく、著者自身が犯人を特定し、またその黒幕を突き止めているので、本書の迫真感は凄い。事件の凄惨さを考えると、こういう表現は好ましくないのだろうが、面白かった。

本書で暴かれている、上尾警察署の無能、むしろ有害と言うべき体質は、怒りを通り越して恐ろしい。
国内最高の権力を持った武装組織が、保身に走るとどれだけの闇を作り出すことができるのか、知りたくない現実を知ってしまう。操作を放棄し、証拠を隠滅し、あげく被害者の遺書を保身のため民事訴訟に利用する・・・

被害者の、そして遺族の苦悩はいかほどのものだったろう。本書に再三書かれているが、最後の最後に頼った警察が、よりにもよってこんな組織だったのだから。

ちょうどこの事件があった頃、好きこのんで上尾に転居したバカがいる。何を隠そう俺自身だが、上尾で事件に巻き込まれなくてよかったと痛感している。

当時の著者は写真週刊誌「フォーカス」の記者だったようだが、週刊誌の価値を再発見した。新聞ではやらないこと、できないことについて、本気で動けばここまでのことができるのだな。
しかし、だとすると、新聞の価値っていったい何なのだろう。

本書はすばらしい。是非読むべき本だと思う。
しかし、同時に本書には救いがない。どれだけ腐敗していても、最後は警察に頼るしかない、現実を変える方法はあるのだろうか。



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219 / 263 ある勇気の記録

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

「仁義なき戦い」のモデルともなった、広島での暴力団抗争を追い続けた新聞と、立ち上がった市民たちの記録。
モデルというか、本書への反発から獄中手記が書かれ、それを元に「仁義なき戦い」が書かれたらしい。

なぜ「ある勇気」といった曖昧表現なのだろうかと思っていたが、おそらくは名もなき人たちの勇気を指しているのだろう。暴力追放キャンペーンを張った、記者たちが暴力に屈せず戦ったことかと思っていたのだが、違うようだ。記者たちはもちろん危険を冒して戦っていたのだが、それに勇気づけられて立ち上がった市民たちの方に、著者たちのウェートは置かれているようだ。

何人もの暴力団構成員が殺され、また一般市民が巻き添えを食って命を落とす中、「報復が怖い」と取材にすら応じない市民たち。著者たちの報道が少しずつ支持を集め、社会を動かしていく様子が活き活きと描かれている。

警察はともかく、市役所や税務署が、いかに暴力組織について弱いのかも赤裸々に暴露されている。新聞記事になると突然動き出すことも。とはいえ、ゼロよりはマシなんだろうな。

時代こそ古いが、「新聞」のあり方としては大いに参考になるのではないか。これなら確かに、「社会の公器」を名乗るにふさわしい。こういった新聞がもっと増えてもらいたいものだ。



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2009年11月22日日曜日

218 / 262 仮想敵国ソ連 われらこう迎え撃つ

さすがに古いので、採点するような本ではない。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

「超法規」発言で自衛隊を追われた、栗栖弘臣氏の著書。昭和55年の出版だから、タイトル通りソ連が最大の仮想敵国だった時代の話になる。

彼我の戦力差、政治目的などを考慮して、敵の上陸予想地点はここ、そこに対して自衛隊はこう動く、などの想定が記述されている。が、俺には地理などの事情に疎いことと、自衛隊の装備や当時の事情もよく知らないことから、第一部と第二部の「対ソ連」箇所についてはよくわからなかった。

しかし、第三部、第四部の日本の防衛が抱える問題については、悲しいかな今でも改善されていないのではないかという気がする。「発砲が許されていない」ために、領空侵犯機に対して体当たりの覚悟を決めている空自。出動しても交通法規に縛られ、私有地での作戦行動が許されない陸自。その他いくらでも、政治の怠慢により自衛隊に押しつけられている矛盾が嫌という程書かれている。

本書を読む限り、著者の主張に問題はほとんど感じられず、むしろ著者の問題提起を真摯に受け止めてこなかった政治に、大きな問題を感じる。金丸信によって更迭されてしまったことが惜しい。



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2009年11月21日土曜日

217 / 261 自衛隊指揮官

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

毎日新聞の記者が書いた本だからさぞかしバイアスがかかっているだろうと予想して読んだら、とんでもない。
著者自身、防大卒とのことで自衛隊に親近感を強く持ってはいるのだろうが、読む限りはフェアな視点で貫かれている。自衛隊の問題は問題で指摘しているし、政治の問題、国民の問題についても、きちんと向き合っている。

これだけの本を書ける人材がいるというのに、どうして毎日新聞はアレなんだろうか・・・という問題はさておいて。

地下鉄サリン事件、不審船、領空侵犯、国際貢献と、任務のみを与えられて、装備も権限も与えられなかった自衛隊指揮官の苦悩がよくわかる。地下鉄サリン事件で現場に駆けつける自衛隊が、赤信号で停止し、他の車に割り込まれていたなんて! ミグ25の亡命時、ソビエトの武力奪還に備えて待機した自衛隊の行動が、公式記録から抹消されているなんて!

本書を読み、他の本も読むと、自衛隊が抱えている本質的な問題点が痛いほどわかる。それは、まともな有事法制がないこと、ROE(交戦規定)がないこと。

俺の誤解であって欲しいが、現在の法律では、他国が戦略爆撃機で核攻撃を仕掛けてきても、自衛隊は実際に爆弾が投下されるまで敵機に手が出せない! 威嚇射撃はできるが、威嚇で止められなかった場合は見ていることしかできないし、自衛隊が先に攻撃をしたら、自衛官が個人的な犯罪に問われてしまう!

いったいこの国はどうなっているんだ。



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2009年11月20日金曜日

216 / 260 戦うことを忘れた国家

10点満点で、6点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

元陸将補の国際政治学者である著者が書いた、「軍事力の行使」を放棄した日本の問題点を鋭く指摘する本。言うまでもないことだが、著者の主張する「軍事力の行使」とは侵略戦争のことではなく、自衛戦争、防衛戦争のことを指す。もっと正確に言うならば、戦争が起こる可能性を想定する「覚悟」だろうか。

著者の主観によるものなのか、中国、ロシア、北朝鮮へのネガティブイメージは非常に大きい。俺自身の思想にもかなり近いものがあるのだが、ここまで激しく指摘されると、かえって思想バイアスの危険を感じてしまう。なので、内容としては8点を付けてもいいと思うが、減点しておいた。ちなみに、表現はどうかと思う箇所が多々あるが、主張自体に間違いはあまりないと思う。

「日本は絶対に、軍事力を行使しない」と思われているのか。著者はそうだと断言する。でなければ、日本をあざ笑うかのように領空侵犯し、領海侵犯し、ミサイルを撃ち込んでくるはずがないではないか。あげく、領海侵犯した潜水艦を捕捉しているのに、領海を出るまで海上警備行動を発令しないのだ!

日本がいかに「平和ボケ」しているのか、これでもかというくらい実例が挙げられている。
少しでもまともな国に近づかなくてはならないのに、そんなときに社民党を含む民主党連立政権ができてしまった日本は、このまま「朝鮮労働党極東支部」あるいは「中国共産党極東支部」への道を歩むのだろうか・・・



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215 / 259 予想どおりに不合理

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・3時間程度

最近分類に困る本ばかり読んでいる気がするが・・・もしかしてビジネス書なんだろうか?
「人はなぜ、合理的な判断ができないのか?」を突き詰めた本。著者紹介に「イグ・ノーベル賞を受賞」と書いてあるのでトンデモ本かと思ったが、違ったようだ。むしろ、着眼点と検証手法がユニークすぎて、他に適切な賞がない、と言うべきか。

「無料」に惹かれて不合理な判断を下す理由。「破格の安値」よりも「無償」の方が仕事を引き受けやすい理由。プラシーボ。等々・・・それぞれの着眼点が面白く、そして検証実験が面白く、考察も面白い。

楽しんで読んでしまったが、こういう読み方でいいのだろうか?
まぁ、堅苦しい気分で読む本ではないと思うが・・・

さて、本書を読んだからには、自らの不合理な行動を戒めることができるのか。
本書を読む限り、それも難しそうではある。



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2009年11月16日月曜日

214 / 258 毎日が冒険

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

10年以上前に出版された本の新装版。誰かに勧められて、初版本を買った記憶がある。

小学生並の思考力と、それに反比例するかのような(正比例しているのか?)まずそこらにはいないであろう行動力を持った著者の自伝。18歳の浪人時代からの6年を、中学生並みの文章力で語っている。

やっていることは人間としておかしいし、個人的には(あくまで個人的な意見)社会にいない方がいい類の人物だとは思うが、その前向きな思考力と、圧倒的な行動力には素直に脱帽する。カウボーイを目指して単身アメリカに渡り(挫折)、一人暮らしをしたいという理由だけで大学を決め、バーテンダーになるために大学をやめる決意をして(本当にやめたかどうかは書かれていない)、21歳で自分の店を持ち、そして自伝を出版。

行動力さえあれば何とかなるんだ、という気分にはなる。

繰り返すが、本書に書いてあることが事実だとすれば、やっていることは人間としておかしい。
著者が言う自由は「自分さえよければいい」自由だし、冒険とは「他人に迷惑をかけても構わない」冒険だ。
でも、それを差し引いても、前向きな気分になれる。

分別のある大人が読む本ではないような気がしないでもないが・・・

夢は逃げない。逃げるのはいつも自分だ。

11/17追記:
著者について調べてみると、やはり「自由」には「責任」がついて回ることを理解できない、ただのバカであるようだ。そこは差し引いて読むべし。



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213 / 257 Googleを支える技術

俺の知識・技術力では咀嚼しきれないので、採点不能。

読書時間(かなりとばし読み)・・・3時間程度

世界最大のサーチエンジンであるGoogleが、いったいどんな技術的バックボーンで動いているのかを解説した本。
一般向けに書かれた本かと思い手に取ったのだが、違った。技術的に(おそらく)高度な解説が展開され、何を言っているのかさっぱりわからないことがほとんど。逆に言うと、本書の内容について行けるようでないと、最先端の技術分野では働けないのだろうな。

その中で唯一、電力に関する話題については、俺でも理解できる内容で面白いと感じた。Googleってコンピュータの台数も膨大なら、使用する電力についても膨大になるというのは、当たり前と言えば当たり前の話。しかし、電力事情によってデータセンターの場所を決めるほどのものだとは思わなかった。

何となく興味を持ったから、というレベルで読める本ではない。ある程度以上の知識を持った人が読むべき本だろうな。



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2009年11月14日土曜日

212 / 256 ハーバード流"NO"と言わせない交渉術

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

いい本だった。読みながら、なるほどそうなのかと頷くことしきり・・・なのに、記憶に残っていない。どういうことなんだろう。
基本的に本書は、単に要求を達成するための交渉術ではなく、Win-Winの関係を作るための交渉術について書かれている。相手に"No"と言わせないためには、相手が"No"という必要性をなくしてしまえばいい、というスタンスなのだろう。おそらく、本書の内容をきちんと理解できて、実践できれば、かなり充実したネゴシエーターになれるのではないだろうか。

問題は、俺の記憶に残らなかったこと・・・なぜだろう。いい本だと思いながら読んだのに。
フォトリーディングしないと記憶に残りにくいのか。

最近は読書メモやマインドマップも書いてないから、読書のスタンスについて、もう一度考え直した方がいいのかもしれない。頭に残らない読書なら、読んでないのと同じことだから。



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2009年11月10日火曜日

211 / 255 Google誕生

10点満点で、8点。

活性化(普通に読んだ)・・・3時間程度

Googleの誕生から執筆当時までを、小説調で追ったもの。肩入れすることなく、突き放すことなく、絶妙な距離感で登場人物たちを鮮やかに描き出している。

最初はビジネスにするつもりがなく、どうやって収入を得るかすら考えていなかった状況で起業し、口コミで巨大企業に成長していく課程がよくわかる。その中でも本質を見失わず、最高の速度で最高の検索結果を求め続け、検索結果に広告を入れることにすらためらう姿勢は、確かに「邪悪になるな」の社是に合致しているようだ。

しかし同時に、ストリートビューや全書籍スキャン構想など、反対や異論の多い中強行する理由もようやくわかった。googleは邪悪になってしまったではないかと思っていたが、どうやら違う。サーゲイ・ブリンとラリー・ペイジの感覚ではこれらは邪悪ではなく、彼らが邪悪でないと考えれば、周囲すべてが邪悪と考えても、googleでは邪悪ではないのだ。

googleは俺自身もっともよく使うサイトの一つではあるが、そのあまりに大きな影響力が、たった二人の恣意的な判断で左右されている・・・ことを知ったのは有益ではあった。



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2009年11月7日土曜日

210 / 254 脳を活かす仕事術

よくわからなかったので、採点不能。

読書時間・・・1時間程度(普通に読んだ)

フォトリーディングしたわけでもなく、目的意識を持って読んだわけでもないので、読後3日たった今では何を書いていたのかさっぱり思い出せない。うーん、いったい何を書いていたんだろう・・・

フォトリーディングを始める前でも、ここまで頭に残らないことはなかったと思うのだが・・・それだけ目的をしっかりして読むことが重要だと言うことだろうか。

しかし、読んでいる最中に「これだ!」と思うこともなく、また再び読み返してみようとも思わない。
俺には合わない本だったのかな。



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2009年11月3日火曜日

209 / 253 脳を知りたい!

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

面白かった。著者は脳科学について素人と明言しながら、様々な論文を当たり、また現役の脳科学者、脳障害を抱えた患者など多くにインタビューをして、その内容をわかりやすくまとめている。本書では結論の出ていない問題については両論併記の形を取っており、極力予断を廃した文章になっているところが、実にいい。

本書の冒頭にも書いてあるが、世間一般でよく目にする「最新の脳科学によると・・・」という文言は、まず疑ってかかるのがいい。それは、脳科学では結論が出たり、あるいは多数の学者が支持する学説というのが多くなく、まだまだ未知の分野であるということ。主張する人物に悪意があるかどうかは別として、大抵の説は誰かが唱えているので、「最新の脳科学によると」という前置きには、ほとんど意味がない。「脳科学会で主流の考え方では」というものならば、それなりに信憑性があるのだが。

冒頭に紹介される、早期教育の悲劇は、俺の想像を超えていた。
小学校入学前に微積分をマスターし、一年生で大学入試問題をすらすら解けていたのに、中学時代に無気力となり、大学に進学することもなかった女性。あくまで「著者が直接知る、唯一の実例」として紹介してあるのだが、これはあまりに悲しい。その理由(と、推測されるもの)が本書に詳述してあり、自分の子育てについても考えさせられた。

このほか鬱、視覚、言語、アルツハイマー、意識など、興味深い話題が盛りだくさん。著者自身が書いているとおり、平易な言葉で語られており、また紹介されるエピソードがいずれも興味深く、最後まで引きつけられて読んだ。

本書に書いてあることがすべて正しいとは思わないが、それでも読む価値はある。



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2009年11月2日月曜日

208 / 252 格闘家弁護士が教える反撃の技術

10点満点で、3点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

交渉術かと思って読んだが、違う。
不利な状況において、自分の立場を守り、反撃して、勝利を収めるための技術。

こう書くといいことが書いてある本に思えるが、少なくともビジネスに使えるような本ではない。その理由は何よりも、著者が弁護士であるということからか、「何が何でも勝つための攻撃/反撃方法」について語っているから。自らの劣勢を挽回するためなら何でもするし、勝つためにも何でもする。そこには「勝てばすべてよし」という思想が貫かれており(その意味では本書はぶれていない)、その後の関係については一切考慮されていない。

言ってしまえば、「後は野となれ山となれ」の交渉方法であり、相手とその後の関係を維持する必要がない、弁護士だからできること。一般の人間関係、ビジネス交渉においては、本書の手法で交渉したら、短期的に勝利を収めることはできても、長期的にはむしろ損をするだろう。少なくとも、Win-Winの関係を、模索することすらないスタイルだから。

弁護士としては優秀なのだろうが、俺自身は何かあっても著者のような人物に仕事を依頼したいとは思わないし、人間としても知り合いになりたくない。
ついでに言うと、著者はアウトサイダーなどの大会には出場しているようだが、いずれもアマチュアか、もしくはアマチュアに毛の生えた程度の大会。そこで「プロの格闘家」と名乗られると違和感があるし、ブラジリアン柔術では黒帯も持っていない。それでいて格闘技に対する偉そうなスタンスでの解説を読むと、著者の弁護士としての実力にも疑問符を感じてしまうのだが・・・



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2009年10月28日水曜日

207 / 251 6時に帰るチーム術

10点満点で、7点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

30分程度でさらりと読むつもりが、結構いいことを書いてあるので熟読した。
チームで仕事をするための手法について語っているため、マネージャ向けの内容ではあるが、個々人の仕事の進め方という観点だけでも、参考になる点はいくつもある。

朝メール、夜メールなどの具体的な手法もさることながら、一番参考になったのは、報告/相談の方法について。「こういう状況ですが、どうしましょう?」はNGで、「こういう状況で、AとBという選択肢があります。Aがいいと思いますが、どうでしょうか?」という形にすべきというもの。自分自身そういう相談の仕方を意識してはいるが、迅速な報告をすることを優先すると、なかなか難しい。対応策はまだ思いつかないが、とにかく一報、という状況もあるからね。しかし、上司としてはやはり後者の方がありがたいというのを知ったのは満足。

是々非々で、自分の仕事にあった取り入れ方をするべき本だとは思うが、悪くない。



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2009年10月26日月曜日

206 / 250 ローカル線ガールズ

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

福井県内を走るローカル電車、「えちぜん鉄道」のアテンダントが書いた本。
そもそも電車にアテンダントなんて存在するのか、というところからして興味をそそられた。

元々走っていた京福電鉄が、度重なる事故で運行停止となり、廃線になったことがすべての始まり。電車がないと生活できないという住民の声に後押しされ、第三セクターとして動き出したえちぜん鉄道に、サービスの一環としてアテンダントを付けようという発想そのものにまず驚く。元々赤字路線だったというのに、さらに経費を増やす方向に走るか!と。

しかし、本書を読むと、アテンダントの奮闘ぶり、そして「なくてはならないもの」になっていく課程がよくわかる。ビジネスライクな語り口ではなく、表現は悪いが、ローカル臭あふれる暖かみのある文章で、素直に「この電車に乗ってみたいな」と感じさせる本に仕上がっている。

俺は鉄分少なめだが、世の中の鉄と言われる人たちは、おそらく本書の内容など先刻承知なのだろう。その意味では、鉄分少なめの人にお勧めする。



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205 / 249 人民は弱し 官吏は強し

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

この本もskype読書会のために読み返した本。「明治・父・アメリカ」とは違い、希望を打ち砕かれる本なので、読み返した回数はたぶん4~5回しかない。

希望に燃えて帰国し、星製薬を立ち上げてモルヒネの抽出に日本で初めて成功するなど、前途洋々だった星一。後藤新平と知己があったばかりに、その政敵から、また同業者から様々な妨害を受け続け、ついには心が折れてしまうまでの話。本書では人物や会社名が一部仮名になるなど、「事実を元にした小説」という位置づけになっている。たとえば、三共製薬などは本書では「三原製薬」という名前で登場している。

とはいえ、本書の内容を否定する資料、物証などは出てきていないらしい。ほぼ事実と言える小説、というべきか。星一があまりに完璧な人格者として描かれており、そのあたりは誇張があるのかもしれぬ。

個人が権力に対抗する力など持ち得なかった当時。星新一がその後作家として、独特の冷めた視点からの作品を排出するようになるのは、星製薬の後始末で筆舌に尽くしがたい辛酸をなめたからだという。その一端が読み取れる。

必読書だと言っていいと思うが、読後感があまりに悪いので、減点した。



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204 / 248 明治・父・アメリカ

10点満点で、9点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

最近活動を始めた、skype読書会で紹介するために読んだ本。初めて読んだのは中学生の頃だったか。面白さにとりつかれ、たぶん10回以上読み返したと思う。

ショートショートの重鎮、星新一氏が、父親であり星製薬の創始者である星一について語った本。一応伝記なのだろうが、星新一独特の、簡潔な淡々とした文章で書かれており、文章そのものはいささか冷めた感じを受ける。しかし内容が面白く、父親への深い尊敬もそこかしこに感じられる。

本書では星一が苦学してアメリカに渡り、アメリカでも様々な人に助けられながら、成功者となるための素地を作り上げていくまでが描かれている。希望に満ちた本であり、星一の底抜けに楽天的な性格と、星新一の簡潔な文章から、窮地に追い込まれているのにそれを感じさせない、最後まで明るく読める本。

本書だけでは満足せず、後述の「人民は弱し 官吏は強し」を読むべきだが、本書は明るく希望に満ちた本として、さわやかな読後感を得られる。いい本だ。



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203 / 247 コーヒーハンター

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

普通に面白かった。
コーヒーに魅せられた著者が、失われた品種のコーヒーを見つけ出し、世に送り出すまでの回想。分類に困る本だが、エッセーと言って間違いではないだろう。

コーヒーに惚れ込み、海外旅行すら珍しかった時代に、なんとエルサルバドルに留学してしまう著者。そして押しかけて国立コーヒー研究所に潜り込み、噂を聞きつけたUCCの社長から直接スカウトされて、25歳で取締役として迎え入れられる・・・著者の生き方も破天荒なら、UCCの社長も破天荒で、この後の著者の活動に大きな影響を与えることになる。

「ブルーマウンテン」とか「モカ」とかが、コーヒーの品種だと思っていた俺には、少々レベルの高い話が多い。しかし、そんなこと関係なしに、著者のコーヒーに対する情熱にぐいぐい引き込まれていき、一気に読んだ。

蘇った幻のコーヒーを市場に出すとき、他社に売られてしまうのではないかと心配する著者に現地スタッフの言った「お前のおかげで蘇ったコーヒーを、他の人間に売るわけがないだろう」という言葉はよかった。著者の人柄だろうが、これがあの国とかあの国とかだったらそうも行かなかったんだろうな。あの国ではコーヒー採れないみたいだけど。

ブルボン・ポワントゥを飲んでみたくなった。年に1回の販売らしい。



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2009年10月20日火曜日

202 / 246 千年、働いてきました

10点満点で、8点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

いわゆる「老舗」について、携帯電話や都市鉱山の活用など、意外な分野に大きな力を持つ独特の企業を取り上げた本。ビジネス書として読むならば、安定にあぐらをかかず、新しい分野に挑むことに感動を覚えてもいい。俺のように、単に雑学のつもりで読んでも十分だ。

生き残りを賭ける老舗、地道に続いてきた老舗、そのスタイルは様々。しかし、こういう企業は世界にはごく珍しく、日本にだけ集中しているというのは何か感慨深い。

本書を読むまで、世界最古の会社として俺でも知っていた「金剛組」が、事実上の倒産をしていたことは知らなかった。「金剛組を潰すのは大阪の恥」と、何ら関係ないのに救いの手をさしのべた高松建設、そして出向ではなく高松建設を退社して再建に乗り込んだスタッフには頭が下がる。

面白いが、ふと考えさせられる本。
ユニクロ批判、中国脅威論とその解釈については、頷くことしきり。



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2009年10月19日月曜日

201 / 245 非公認 Googleの入社試験

採点するような本ではないと思う。
パズルの要素が強いので、読書時間にも意味がない。1時間ほどで読んだが。

ネットで収集できる情報を素に、Googleの入社試験ではどういった問題が出されているのかかき集め、現役IT技術者、数学科出身塾講師、物理系大学院生、肉体系スポーツインストラクターが挑んでいる。時折、解説などの意味を込めて、Google系プログラマが回答を寄せたりしている。

かなり高難度のパズルから、心理テストみたいなものまで雑多にある。
パズルには全く歯が立たず、一言で言うなら読後感は「俺は絶対に入社できないな」

ちゃんと解くならかなり腰を据えて挑まないと無理だし、パズルや数学の素養も必要。むしろ開き直って、雑学のつもりで読んでしまった方が楽しめるかもしれない。問題を読んでも意味が理解できないものもいくらかあったが、Amazonの書評を見ると、訳にもかなり問題があるようだ・・・

しかし、本書でも紹介してある「Googleが発見した10の事実」について。
「6. 悪事を働かなくても金儲けはできる。」とあるが、ストリートビューや出版物のオンライン図書館構想など、明らかに他者の権利や利益を侵害した行動が最近は目に付くのだが・・・理念が変わったのかな。



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200 / 244 最強ハーバード流交渉術

10点満点で、9点。

活性化(普通に読んだ)・・・2時間程度

副題に「仕事が100倍うまくいくNoの言い方」とあるとおり、理想的なNoをいうにはどうするべきかを論じた本。
理想的なNoとは、自分の利益を失うことなく、妥協することなく、必要なNoを告げること。そしてその際、自分が失うものを最小限にすること。Noと言うことで相手との関係を壊さず、可能であるならばもっと関係を強めるためのNoをいかに言うか。

Yes! No, Yes? と書いてあるとおり、最初に自分の立場、利益について明確なYesをたてる。そしてその利益に反することにNoを告げ、代案など相手が納得できるYesを用意する、というもの。豊富な、かつ興味深い実例とともに説明され、なるほどそうなのかと頷くことしきり。

著者の経歴はある意味華やかなもので、紹介されるエピソードも非常に面白く、それだけでも読む価値がある。いささかベネズエラのチャベス、南アフリカのマンデラ、ガンジーの例が多すぎるきらいはあるが、興味深く示唆に飛ぶエピソードが多いだけに、仕方ないだろう。

図書館で借りて読んだが、手元に置いておきたくなった。



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2009年10月15日木曜日

199 / 243 銀河ヒッチハイク・ガイド

本書のノリにはついて行けなかった。

かの有名な、「人生、宇宙、すべての答え」を求める問いがある、SFの古典的名作。
・・・と、言われているのだが。

欧米圏のドタバタコメディで、設定も展開もシュールすぎて、読んでいても状況がよくつかめず、最初から最後まで、狐につままれているようなイメージを持ち続けた。それが本書の正しい楽しみ方なのかもしれないが・・・

続巻があるようだが、ついて行けそうにない。本シリーズの読書はこれで終了。



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2009年10月13日火曜日

198 / 242 選ばれ続ける社員の法則77

記憶に残っていないので、採点しない。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

客観的に評価される、人から認められる人材とはどういった人物か、経営コンサルタントの著者たちが見てきた人から読み取った共通点について、77の項目としてまとめてある。

内容は是々非々で読んだ。なるほどと思うこともあれば、わかってるけどできないなと思うこともあり、それは違うんじゃないかと思うこともあり。77項目、すべて満足しようと考えるのではなく、少なくとも自分が納得したものについては、行動に移してみると確かに違う人材になれるかもしれない。

しかし・・・読後一晩たって振り返ってみると、さっぱり記憶に残っていない。心に響いていなかったのか、単に読み流してしまったのか。後者だろうな。

今回はフォトリーディングせずに読んでみたが、記憶への残り方は確かに違う。最近実感してきた。
しかし、読後マインドマップを描かないと、結局は忘れるのが早いか遅いかだけだな。フォトリーディング+マインドマップの組み合わせが、やはり俺には必要であるようだが・・・マインドマップ描くの面倒くさいんだよなあ。



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197 / 241 フォーカス・リーディング

きちんと実践して結果が出るか否かを判定するまでは、採点できない。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

「実践を追求したビジネス速読術」として有名な、SRR速読教室の寺田氏がそのノウハウをまとめた本。おそらくセミナーでは、内容についてもっと掘り下げた説明と、実践に当たっての注意事項などが指導されるのだろうが、本来必要なことは一通り書いてある、気がする。

読書に対する考え方について多くのページが割いてあり、また「情報を取得する」ことに主眼を置いているため(フォトリーディングもそうだ)、俺みたいに無目的に本を読むことが多い人間には、あまり向いていないのかもしれない。とはいえ、本書で解説してある技法については、その根拠や効果の現れ方などがしっかり書いてあり、「そこそこのレベル」を目指すだけなら、本書でも十分実力を付けることができそうだ。

独学で速読を身につけるなら、本書か、「1分間で10ページ 即席速読術」のいずれかがいいだろう。特に排他的な要素はなさそうだ。



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2009年10月11日日曜日

196 / 240 危機管理宰相論

10点満点で、7点。

活性化(スキタリング)・・・1時間半程度

元内閣安全保障室長の佐々淳行氏が、危機管理におけるトップの役割について述べた本。「宰相論」と銘打ってはいるが、むしろ村山亡国内閣について激しく糾弾している本、と言ってよい。

1995年12月の出版なので、阪神大震災と地下鉄サリン事件に関する言及が多いが、対北朝鮮関係についても、読んでいて頭の痛くなる話が山盛り。自民党単独政権の害はそこら中で言われているが、野合政権になってからのダメージは、比べものにならない深刻なものであることがよくわかる。

日本を敵視して恫喝し続ける相手に、無批判で10億ドルもの経済援助を約束する村山政権。震災において自衛隊を動かそうとしなかった村山政権。法的根拠を与えずに、サリン事件では自衛隊を死地に追いやった村山政権。日本が現在でも存続するのは、ひょっとしたら希有の幸運によるものではないか、という気すらしてくる。

阪神大震災の時、政治は何をすべきだったか、何をしなかったのか、怒りを込めて著者が力説している。「阪神大震災 自衛隊かく戦えり」を併せて読むと、手足を縛られた自衛隊がどう活動したのかよくわかり、悲しくなる。本書で指摘された問題点が、その後改善されたかどうかは、寡聞にして知らないのだが・・・まだそのままではなかろうか。

さて、現在はどうなっているか。
震災直後の神戸に、食料も物資も持たずに印刷機を持ち込んで自衛隊批判のビラをまき続けた辻本清美が国土交通副大臣(選挙前は防衛大臣を希望していたというからなにをか言わんや)、自衛隊の出動が遅かったと見当外れのクレームを付けた阿部知子は党重鎮。こんな連中と一緒に動く連立与党は、果たして日本人を本当に守れるのか・・・在日朝鮮人、在日中国人などは守りそうだが。

2012年3月18日訂正;
上記の辻元清美に関する記載はデマであった模様。
不明を恥じるとともに、自身がデマの拡散に協力してしまった事実を忘れないように、あえて残す。



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2009年10月8日木曜日

195 / 239 細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身につく本!

10点満点で、7点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間程度

「数学的思考力」というよりは、「論理思考力」ではないだろうか。論理学は数学の一分野だから、同じことなのかもしれないが。

主にニュースの解釈について、本質を見極めるための考え方、既存の知識と融合させるための考え方について、わかりやすくまとまっている。これはこれで非常に有意義な本だと思うが、タイトルに惹かれて手に取った人の目的に合致する本かというと、かなり疑問。

巻末にポイントがまとめられていたり、内容そのものは悪くないだけに、タイトルとの乖離が気になる。
個人的には有意義な本だと感じた。



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2009年10月6日火曜日

194 / 238 日本の防衛 7つの論点

10点満点で、6点。

活性化(普通に読んだ)・・・2時間程度

「石破茂・前原誠司ほかが集中講義!」と書いてあるが、編者との対談を収録した形になっている。
しかし、残念なことに編者の発言の方が多く、消化不良感が否めない。まず編者の主張があって、それに対する講師陣の意見があって、、、という形。当時防衛庁長官だった石破氏、同じく当時民主党のネクスト防衛庁長官だった前原氏など、重要なことをわかりやすく語っているのに、編者が引っかき回している感がある。俺の知識が追いついてなくて、そう受け止めてしまっただけなのだろうとは思うが。

おそらく一般的には右派と呼ばれる人たちが多いのだろうが、読む限りは至極まっとうなことを語っているだけに思える。一番過激に思えるのが、当時民主党の西村真悟氏だというのは皮肉と言うべきか。それに比べると、とかく左派からは目の敵にされている石破氏が、左派に思えてしまうほど。

話題があちこちに飛び、まとまりに欠けてはいるが、知識の隙間を埋めるために読んで損はない。



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2009年10月1日木曜日

193 / 237 インテリジェンス戦争

俺には敷居の高い本だった。

面白いことは数多く書いてあるが、理解できないことも多い。国際情勢をちゃんと認識しておかないと、話題の重要性がわからないし、人物の重要度もわからない。

ただ単に、野次馬根性で読む分には、中共のネット監視、北韓のハニートラップ、ミトロヒン文書、ザルカウィ暗殺などの話題は面白かった。反面、基礎知識がない分、リトビネンコ事件などは、興味を持って読んだにもかかわらず、さっぱりわからない。

少なくとも、入門書ではなかったようだ。本書が読める程度の知識は持っておきたいところであるが。



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2009年9月28日月曜日

192 / 236 新・システム管理者の眠れない夜

10点満点で、6点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

前著で偏見を持ってしまったので、そのせいもあるだろうが、本書も「わかってない連中に苦労させられた著者が、わかってない連中のことを上から目線で語る」というスタンスに見えて仕方ない。これはたぶん、読み手の問題だろう。

紹介してあるエピソード自体はそれなりに面白く、退屈せずに読める。本気で読めば、かなりの勉強にもなるだろう。しかし、いかんせん後知恵で語ってる箇所が多いので、素直に読めないのが難点。素直に読める人なら、そしてシステム開発に関わる人なら、有意義な本だろう。主に発注側が読むべき本だと思う。

素直に読めなかった俺は、あまり教訓を得ることができなかった。大半は忘れてしまった。



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2009年9月24日木曜日

191 / 235 システム管理者の眠れない夜

10点満点で、6点。

活性化(普通に読んだ)・・・2時間半程度

2000年11月の出版だから、もう9年も前の話か。さすがに技術的には古い内容になっているが、人の問題を多く取り上げているから、実際の年数ほどには古く感じない。

とはいえ、読後感はあまりよくない。文章の端々から、「コンピュータのことがわかっていない素人のために、システム管理者はこんなに苦労させられている」というスタンスが見え隠れするからだ。いや、そもそもの企画がそうだから、堂々と見えていて当たり前なのかもしれないが。

著者自身も何度も書いているが、たとえばサーバの更新を計画したとして、「その費用対効果は?」と聞かれると答えに詰まることが多い世界。それに対して、(著者の環境はどうなのかわからないが)ユーザーの多くは、実際に会社のために金を稼いでいる人たち。自分の給料がどこから出ているか考えれば、同レベルの視点こそあれ、上から見下すことはできないはずだが・・・

深く考えながら読むようなものではないのかもしれないが。本書にしたって、それなりのスキルを持った読者を想定して書かれているわけだし。
しかし、「自分は、本当に金を稼いでいるのか?」と言うことを本書で考えてしまったのは、穿ちすぎた読み方だろうか。



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2009年9月22日火曜日

190 / 234 選挙参謀

10点満点で、7点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

2003年の衆議院議員選挙で大阪3区から出馬し、比例区復活当選を果たした、民主党の辻恵が戦った選挙戦について、スタッフとして働いた著者が振り返った本。選挙の内幕ものとしてはよく書けていると思うが、著者と辻議員の思想信条、行動に反発を覚える箇所が多々あり、読み方には少し気を遣った。

2003年の選挙といえば、民主党が大躍進した年だな。俺自身はこのときは、選挙区は自民党候補、比例区は自民党に入れた気がする。その一つ前、森政権の時に民主党に入れて、「これで政権交代できないなら、もう永遠にダメだ」とか思っていたような。変われば変わるもんだな。

辻の思いつきのような出馬表明から、選挙区が決まるまでのドタバタ、そして事前活動、選挙活動、開票。読み物としては面白いので、退屈することなく読めた。特に一番最後、開票後の票読みについて、なるほどこうやって分析するのかと勉強になった。

本書はあくまで著者の視点で書いてあるから、辻議員本人がどういう政治信条を持っているのかはわからない。あまりいい印象は持たなかったが・・・
著者の運動方針は、はっきり言って嫌悪を覚える。選挙に勝つには、こうでなくてはダメなのか、と感じるところはある。しかし、こんな選挙活動をしないと当選できないということは、日本の民主主義がいかに未成熟なのかを、図らずも暴いている気もする。

最低なのは、朝日新聞のアンケートへの対応。郵政民営化への賛否を問われ、民主党候補なのに「賛成」に丸を付けた辻陣営。それが記事になると、「誤報だ!」と言って騒ぎ立て、確かにアンケートでは「賛成」となっていることを示されると「おかしいと思わないのか、書き間違いかとなぜ確認しなかった、このせいで支援団体ともめて落選したらオマエらのせいだ、今後は取材拒否だ」と噛みつく狂犬ぶり。自分の非を認めない、こんな奴らに、国政を任せていいのか?
これにシッポを巻く朝日も情けない。これが自民党候補だったら、「本紙記者を恫喝!」とか記事にするところだろうに。

「政治は三流」と言われる一因が、透けて見える。そんな気がする。



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