2009年7月8日水曜日

148 / 192 戦争の常識

10点満点で、9点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

この本はいい。俺のように、「政治の手段、現実としての軍事」に関心を持つ者が、基本的な知識を身につけるのには最適だと思う。反対に、個別の兵器や戦史に関心があって、そこから軍事について知りたいと思う向きには、求めているものとは大きく違うのではないかと思うが。

根本的な「そもそもなぜ軍隊には階級が必須なのか」といったものから、陸海空軍の役割、現在の主力兵装と直面する問題点など、非常にわかりやすく書いてある。軍備とは相手に備えるものだから、当然「この装備ではこういう相手に対応できない」とか、「この能力があれば相手の意図を抑えることができる」など、具体的な記述がなされており、予備知識がなくともすらすら読める。

核戦争の危機についても、核戦力の小型化によりより危険性が高まっている(MADの前提が崩れている)ことなど、実に具体的。一度で十分わかった気になるが、何度も読み返して、基礎知識として体に染み込ませるべき本だろう。

本書はあくまで入門書。サッカーで言うなら、ルールとポジションごとに期待される役割を解説した程度でしかない。それでいて、この本に書かれていることを知っている人がいったいどれだけいるか。この本に書かれていることも知らないで、エラそうに政治や軍事を語る人が(俺を含めて)いったいどれだけいることか。考えさせられた。



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